初心者でもプロ並み!おすすめのペン画ツール ボールペン13選
ペン画を始めるには、どんなペンがいいでしょうか?
初心者向けのミリペンの選び方については、以下をご覧ください。
オススメなつけペンを知りたい方は、以下を参考にしてください。
今回はボールペンについて解説します。
ミリペン以上に種類が多くて、迷っていませんか?
何となく手に取ったものを、そのまま使っていませんか?
たくさんの種類がありますが、実は「ペン画を描く」という目的に、適するものと適さないものがあります。最後まで読んでいただければ、ボールペン選びも候補が絞られ、自分にピッタリのものを選ぶことができます。
自分に合ったペンを選び、描画スキルを向上させましょう!
ボールペンのメリット・デメリット
メリット
ミリペンよりも手軽です。取り扱っている店舗数も格段に多く、ペンのバリエーションも多いです。店舗数が多いということは・・・。
深夜、絵描きに集中して取り組めている時、インクが切れてしまった!という時に、コンビニに駆け込んで何とかすることもできる、という利点があります。
ペン画という技法は、他の技法と比べると手軽に取り組めるということが最大の特徴ですが、その特徴に一番合致しているのではないでしょうか。
1本百円以下の低価格品から、数千円も!する高級品もあります。ただ、書く・描くといった基本機能は変わらないどころか、低価格品の方が実は使いやすかった!ということも多いです。低価格で使いやすいボールペンを使うことで、お金をかけずにペン画に取り組むことができます。
またインクがなくなっても芯を取り替えて使用できるものがほとんどのため、経済的に使用できます。ミリペンは使い捨てモデルが多いです。
デメリット
最も細密なものでも、ボール径0.3ミリ前後。細密な描き込みという点では、ミリペンに比べると劣ります。コロナ以降、極細ボールペンが流行していますが、それでもやはりミリペンには及びません。
左はミリペン、右はボールペンです。
画像ではわかり難くてすみません。実際に描いてみると太さの違いを実感します。
ボールペンというものは、先端にある球が転がり、球の背後にあるインクを紙に転写しながら書いていきます。ミリペン並みに細密にすると、例え作ったとしても、上手く書けないのです。
また製品によってはダマが出来やすいものもあったり、描いた後を手で擦ると汚れやすかったりするものもあります。そういったクセがあるので、理解した上でペン画に取り組むようにしましょう。
実は!・・・ボールペンの種類はたった4種類
文具屋さんやホームセンターのボールペンコーナーに行くと、色々な種類のボールペンがあって楽しいですね。また、名前入りとか、社名入りとか、ライト付きの高機能品とか、モンブランやスワロフスキーのような高級品とか、もったなくて使えないよ!というものまであります。
ミリペン以上にいろいろな種類があります。知らない人にはチンプンカンプン、マニアには何時間でも見ていられる、不思議な世界です。
その中から選べと言われると・・・。正直、よく分からないのではないでしょうか。
実は、インクの種類からボールペンを分類すると、たった4種類です。この4種類は性質が大きく異なるので、まずは自分はどれが好きか、どれが描きやすいか、から検討してください。
- 水性ボールペン
- 油性ボールペン(エマルジョン)
- ゲルインクボールペン
- 消せるボールペン(フリクション)
油性ボールペンとエマルジョンボールペンを分けて、5種類とみることもあります。
1/4 水性ボールペン
色の素となるものを水に溶かしてインクとしています。色の素の種類によって、染料インクと顔料インクに分かれます。ペン画として使用するなら、耐水性・耐光性の強い顔料インクをお勧めします。
一番の特徴は、低粘度インクのもたらす、さらっとした描き心地です。サラサラ描けて、ダマも発生しにくいです。
短所としては、油性インクと比べると、乾燥しにくかったり、薄い紙には裏写りしてしまったりすることがあります。表面がコートされたツルツルの紙には、不向きです。
水性のため耐水性には劣ります。しかし近年の製品は、メーカーによる色々な工夫が施されていて、そう簡単に滲んだりしないものも多数あります。
2/4 油性ボールペン(エマルジョン)
色の素となるものを有機溶剤に溶かしてインクとしています。私のような昭和世代なら、昔ながらのボールペンというと、この油性ボールペンを思い浮かべることでしょう。
インクの粘度が水性インクに比べると高く、しっかりした描き心地があり、伝票や領収書など強い筆圧が必要な場合や耐久性が求められる書類には非常に都合がよく、昔から公式な場面を中心によく使用されていました。
その反面、描き心地は重く、描き始めがかすれたり、ダマが発生しやすいという欠点があります。
1980年代に、サラサラ描けるゲルインクボールペンが発売され、油性ボールペンはシェアを落としていました。しかし2000年代になると、三菱鉛筆さんが低粘度の油性ボールペンである「Jet stream」をヒットさせ、各メーカーも後継の製品を続々と発売させました。油性なのにさらさら書くことができ、瞬く間に普及しました。
エマルジョンタイプは、油性インクの濃度を下げるために一部水性インクを混ぜています。水と油が分離しないよう、メーカー独自の工夫(乳化:エマルジョン)がされているものです。油性7に対して水性3の割合となっています。
3/4 ゲルインクボールペン
水性インクにゲル化剤を混ぜたインクがゲルインクです。水性インクの描きやすさと、油性インクの速乾性・耐水性を合わせ持った、優れものです。’80年代初め、大手の文具メーカーであるサクラクレパスさんが開発し、「ボールサイン」を爆発的にヒットさせました。
インクが芯の内部にある時はゲル状で高粘度ですが、なんと!書くときにボールが回転すると低粘度なインクに変化し、紙に乗った後は再びゲル状となり、耐水性・耐光性に優れた状態となります。
水性の良さと油性の良さを合わせ持ったハイブリッドタイプですが、インクの減るのが早いという欠点があります。たくさん使用する人は予備を持っておくと安心できます。
4/4 消せるボールペン(フリクション)
ボールペンというものは鉛筆やシャープペンシルと違い、基本的に描いたら消すことはできません。消すには紙ごと削り落とす必要がありますが、製品によっては消せるボールペンもあります。
1980年三菱鉛筆さんが「ゲルボ」を発売、21世紀初頭にパイロットさんが「D-ink」を発売するなど、各社が消しゴムで消せるボールペンを発売しましたが、時間が経つと消えなかったり、消しにくかったり、使い勝手はイマイチでした。
そんな中、2007年にパイロットさんが、ゴムで擦る時の熱でインクが消えるというフリクションボールペンを発売し、全世界に普及しました。
消せるということは、後から修正ができてしまうことになります。そのため、公文書や業務上の重要書類などは使用禁止となっていることが多いです。
またゴムで擦らなくても60℃くらいの環境では消えてしまうことや、耐光性に劣る染料インクが元になっていることから、ペン画で描くにはやめておいた方がいいでしょう。
お手軽にペン画を始めるなら、入手しやすいゲルインク・油性インクのボールペンをオススメします。一部のボールペンについて、実際に試してみたので参考にしてみてください。なお、耐光性に劣ると思われる水性、フリクションのボールペンは試していません。
ほんと全部を試してみたいのですが、流石にそれは無理というもの。プロとして独立起業したらやってみます。
実際の使い心地は?
実際にペン画を試してみたボールペンは以下の通りです。
油性ボールペン
- 三菱鉛筆 Jet Stream standard
- ぺんてる Calme
- パイロット Acroball
- パイロット Rexgrip
- ゼブラ blen(エマルジョン)
- 三菱鉛筆 SA-R
ゲルインクボールペン
- 三菱鉛筆 uniball signo DX
- 三菱鉛筆 uniball signo RT
- ぺんてる Energel
- パイロット Hi-Tec-C
- パイロット Juceup
- ゼブラ SARASA CLIP
- ゼブラ SARASA NANO
1/13 三菱鉛筆 Jet Stream standard 0.38
数ある油性ボールペンの中で、一番の売れ筋です。ボールペンコーナーに行くと、いろんなバリエーションの Jet Stream が並んでいます。
黒以外のインクカラーも豊富で、赤・青・紫・緑・ライトブルー・ライムグリーン・オレンジ・ピンクと、8色のカラーインクが用意されています。
ボール径は0.38ミリ、0.5ミリ、0.7ミリ、1.0ミリとなっています。(standard)
実際に使ってみての感想
今回は一番標準的なstandardタイプの、最も細密であるボール径0.38ミリを選択しました。
低粘度油性インクのおかげでサラサラと書け、色も濃いです。文字を書くには何も不都合はなさそうですが、ペン画を描いてみるとどうでしょうか。
やはり低粘度とはいえ油性インクですから、その性質上、ダマはできます。そしてインクの色は少し紫がかった、藍色っぽい黒です。これは好みが分かれるところです。
この藍色っぽい黒というのは、Jet Stream だけでなく、油性ボールペン全般がそうです。自分はどんな画風がいいのか、理解しておきましょう。まだ特に画風なんて考えてないよ~、という方は、とりあえず気に入るかどうか試してみましょう。
もし自分の好みに合わなければ、ペン画での使用ではなく、日常使いにすれば何も問題ありません。
ハッチングを重ねるクロスハッチという技法は、問題なく使えました。ペンの種類によっては、クロスハッチをすると上手くインクがのらないものもあるんです。濃くしたいところもきちんと濃くできるので、ペン画にも問題なく使用できるでしょう。
2/13 ぺんてる Calme
艶消しでモダンな外観は、プロダクトデザイナー三宅一成氏のデザインによるものです。
特徴として、ノック時に発生する音を66%低減していて、静かに使用でき、ノック時のショックも少なく設計されています。また皮を思わせるグリップ部は、長時間使っていても疲れが軽減されます。
ボール径は0.35ミリ、0.5ミリ、0.7ミリがあり、インク色は黒・赤・青の3色あります。
実際に使ってみての感想
今回は0.5ミリを試してみました。低粘度のインクを採用しており、さらさらとした描き心地です。0.5ミリは若干太く感じましたが、実際に描いてみると、そんなに太さを感じません。
油性インクのため完全な黒ではなく、若干紫がかった、藍色っぽい発色です。Jetstrem やAcroball と比べると、やや薄く感じました。その特性を活かすような場面で使いたいところですね。
クロスハッチは問題なくできます。ダマができることはある程度仕方ありません。ダマができることを前提に、それを活かすような画風にしていきましょう。
3/13 パイロット Acroball
アクロインキという、通常の油性インクの1/5の粘度という低粘度インクが採用されています。
インク色は黒、赤、青の3色、ボール径は0.3ミリ、0.5ミリ、0.7ミリ、1.0ミリ、となっています。
実際に使ってみての感想
0.3ミリを使ってみました。インクの色が濃いです。油性インク独特の藍色っぽさはありますが、少々薄めだったぺんてるのCalmeと比べると、かなり濃い印象です。
色は濃いのですが低粘度で、Jet Stream や Calme と比べても、より描き心地が滑らかな印象を受けました。ダマについては、全くできないわけではありませんが、発生する頻度は少なめでした。
ただし、手を早く動かしてハッチングをした時など、かすれやすい感じを受けました。ゆっくりと丁寧に線を引くときは気になりませんが、しゃっしゃっと線を重ねるような時は、かすれることがあります。
4/13 パイロット Rexgrip
これは、会社の取引先でいただいたものです。皆さんも、そういうボールペンが1本や2本ないですか?
Acroballと同じパイロット製の油性ボールペンです。インク色は黒・赤・青、ボール径は0.5ミリ、0.7ミリ、1.0ミリ、1.2ミリ、1.6ミリとなっています。
実際に使ってみての感想
低粘度のインクではないため、実際に書いてみると、昔ながらの油性ボールペンの書き心地です。試してみたものはボール径0.7ミリで、そんなに細密なものではありません。
そういうボールペンでも、十分ペン画を描く事ができます。
油性インクならではの藍色っぽい黒ですが、やや色がグレーっぽいと思いました。低粘度ではないので、サラサラとした書き味ではありません。
ダマは出来にくいと感じました。油性ボールペンの王者である Jet Stream に比べると、明らかに少ないと感じました。
油性の感触が好きだけど、ダマはちょっとな・・・という方には、ピッタリかと思います。
クロスハッチは出来ますが、やや色が薄い分、しっかりと濃くしたいときは苦労しそうです。
5/13 ゼブラ blen(エマルジョン)
大手文具メーカーであるゼブラのエマルジョンインクのボールペンです。「ブレン」という名前は、「ぶれない」というコンセプトを表しています。
ペンと紙が接触する時、どうしても微細な振動が発生し、それがストレスの原因になったりします。その微細な振動を極力無くしたのが、このボールペンの特徴です。
またシームレスなプロダクトデザインは、デザイナーの佐藤オオキさんによるものです。所有したくなる、おしゃれなデザインです。
ボール径は0.5ミリと0.7ミリ、インク色は黒のみです。ただし黒・赤・青・緑の4色ボールペンや、3色ボールペン、2色ボールペンもラインナップされています。もちろんこれら多色ペンも、ブレンのコンセプトで作られています。
実際に使ってみての感想
「ブレン」のコンセプト通り、確かに、スラスラ書ける独特な書き心地です。これはインクの滑らかさによるスラスラとは違いました。試し書きができるなら、ぜひやってみてください。
ペン画として使ってみると、エマルジョンインクも油性インクが元になっているだけに、油性ならではの藍色っぽい黒色をしています。その色が、やや薄いかなと感じました。
先ほどのパイロットRexGripはグレーっぽい薄さでしたが、こちらはグレーではなく紫が強い印象です。ダマは出来ますが、出来やすいというほどではありません。
クロスハッチは出来ますが、色が少し薄めであることから、濃い黒を表現したいときは苦労するような気がしました。
ブレン独特の描き心地は、他のボールペンでは味わうことができないものです。クセになるかも知れませんね。ぜひお試しあれ!
6/13 三菱鉛筆 SA-R
こちらは、いわゆる昔ながらの油性ボールペンです。比較のために購入し、書いてみました。
三菱鉛筆さんのホームページに記載されていなくて、通販のページで調べてみたら、ボール径は0.7、インク色は黒・赤・青とあるようです。
SA-Rの先端キャップは樹脂製ですが、昔はSA-Sというステンレス製のキャップのボールペンありました。その製品は、もう廃盤になっているようです。
実際に使ってみての感想
確かに昔ながらの油性ボールペンですが、かなり書きやすくなった印象を受けました。私が子どもの頃は、もっとダマができたり、かすれたり、書けなくなったり、手で擦って汚してしまったり、色々苦労した思い出があるのですが、そんなことはありません。
見た目は同じですが、インクが改善されているのかも知れません。
ペン画として描くには、ちょっと色が薄いかな・・と感じました。クロスハッチもできるものの、インクの色以上に黒くはなりません。
しかしかなり描きやすくなっていて、ダマもほとんどできません。今時の低粘度のサラサラボールペンが馴染まないという方は、試してみてはどうでしょうか。
7/13 三菱鉛筆 uniball signo DX
ここからは、ゲルインクのボールペンになります。まずは三菱鉛筆さんの uniball Signo DX 0.28 です。
これは随分前に、絵描き用ではなくサラリーマン用に購入したものです。まだその頃はボールペンの種類の違いなんて知らなくて、その描き心地の滑らかさに驚いた覚えがあります。
私の所持ししている製品は、「DX」の表記があるのですが、メーカーWEBサイトで確認すると、デザインは同じですが「DX」の表示がなく、単にuniball Signo と紹介されています。色々調べてみましたが、どうやらどちらも違いはないようです。以降は全て「DX」として説明します。
インク色は定番の黒、赤、青の他に、数え切れないくらい色とりどりのカラーインクがランナップされています。ボール径は0.28ミリ、0.38ミリ、0.5ミリです。
実際に使ってみての感想
実際に描いてみると、油性インクとは違うしっかりした黒い発色です。油性インクの藍色っぽい黒が馴染まない人は、ゲルインクの製品を試してみてください。
ゲルインクは水性インクを元に作られていて、色の素になる物質が顔料のものと染料のものがありますが、これは顔料になります。ペン画として使うには、耐光性・耐水性に優れた顔料インクの方が適しています。
ダマはほとんどできないので、油性インクのダマに悩まされてきた方は、ぜひゲルインクをお試しください。
クロスハッチも問題なくできますが、描いた後すぐに擦ると汚れやすいので、手の下に別の紙を敷いておくなど、工夫をした方が良いかも知れません。
8/13 三菱鉛筆 uniball signo RT
こちらも同じ三菱鉛筆さんの、uniball Signo です。違いは名前の最後が RT になっているだけ・・・ですが、メーカーのWebサイトで確認すると、
ボール径0.38ミリと0.5ミリで、0.28ミリはありません。
インク色も0.38ミリが黒を含めて5色、0.5ミリは黒を含めて3色となっています。
実際に使ってみての感想
今回は0.38ミリのRTを購入し試してみました。インクは顔料のゲルインク、描き心地もゲルインクならではの滑らかなもの。DXもRTも同じかなと思いましたが・・。
文字を書くだけならたいして違わないのですが、ペン画を描こうとすると、DXと比べてほんわずかですが色が薄い感じがしました。そうはいってもゲルインクなので、油性インクよりもしっかりした黒であることに違いはありません。もしかしたら単なる個体差かも知れません。
また今回試したRTの0.38ミリと、DXの0.38ミリでは、明らかにRTの方が細い線でした。細さの順で並べると、DX0.28ミリ、RT0.38ミリ、DX0.38ミリ、となっています。
ダマはほとんど出来ないです。クロスハッチをすると少しかすれる時がありました。文字を書くにはDXでもRTでも変わりないのですが、絵を描くとなるとDXの方が描きやすい印象を受けました。
個体差や、私が試した時がたまたまそうだった、という可能性もありますので、皆様も両方試してみるのがいいですね。
9/13 ペンてる Energel
ぺんてるさんより発売されている、ゲルインクボールペンです。
ボール径は0.3ミリ、0.4ミリ、0.5ミリ、0.7ミリ、1.0ミリと5種類あり、インク色も太さによって違いますが、一番多いのは0.5ミリ径の15色と、素晴らしいラインナップですね。
どうやら顔料インクではなく、染料インクのようです。耐光性や耐水性に劣る染料インクは、ペン画作品を描くには不向きですが、色の鮮やかさ、バリエーションの豊富さは顔料インクを凌ぎます。
実際に使ってみての感想
今回は0.3ミリを試してみました。なめらかな描き心地、速乾性、濃く鮮やかな発色、使いやすいボールペンです。ダマもできません。
ただペン画を描いてみると、クロスハッチで少しかすれが見られました。また0.3ミリと極細ボールペンの部類に入る割には線が太いかな・・と感じましたが、描き上げて他の極細ボールペンと比べてみると、そんなに違いはありません。
もしかしたら、軸の太さや先端の形状が心理的にそう思わせているのかも知れません。
10/13 パイロット Hi-Tec-C
1994年発売の、極細ボールペンのパイオニアと言ってもいいでしょう。グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。
私も油性ボールペンしか知らなかった若かりしころ、これを使ってみて、その滑らかさに驚いた覚えがあります。
ゲルインクですが、バイオポリマーインクというものが使われていて、顔料でも染料でもないものになります。
またボールは3点支持にて支えられており、摩擦の少ない滑らかな動きを実現しています。
ボール径は0.25ミリ、0.3ミリ、0.4ミリ、0.5ミリ、インク色はメーカーWEBサイトには3色となっていますが、通販や店頭で10色セットとか、40色セットとかみることがあります。
またボールペンには珍しく、替え芯がありません。軸と芯を自分好みに組み合わせて使用できる、コレトというモデルもあります。
実際に使ってみての感想
今回は0.3ミリの黒を試してみました。昔驚いたのと同じ滑らかな描き心地です。他のゲルインクボールペンと比べても、サラサラ描けるような気がしました。
ダマもできないし、クロスハッチでかすれることもありません。
やや青みがかった黒です。油性の、藍色っぽい黒とはまた違った雰囲気があります。
数あるゲルインクボールペンの中でも一番の描きやすさだと感じました。その描き心地は、ミリペンに近いものがあります。もし私がボールペンだけで何か作品を描いて欲しいと言われたら、おそらくこのペンを選ぶことでしょう。
11/13 パイロット Juceup
Hi-Tec- C と同じパイロットさんのゲルインクボールペンです。こちらはバイオポリマーインクではなく、新開発の水性顔料ゲルインクを採用しています。
ボール径は0.3ミリ、0.4ミリ、0.5ミリとなっています。そしてインク色が豊富で、色の多彩さでは不利なはずの顔料インクですが、通常色が10色、パステル色が6色、メタリック色が6色、クラシックグロッシー色が6色、凄まじいですね。
ペン先も特徴があり、新開発シナジーチップが採用されていて、滑らかでかつ書き出しもよく、強度も強いという先端になっています。
実際に使ってみての感想
とある You Tuber さんが絶賛しているのをたまたま見かけ、購入しました。他の極細ゲルインクボールペンと比べて、細密さが際立っています。
ただし、絵を描いてみて仕上がりを比べてみると、他のボールペンとの違いは感じられません。実際に感じる細密さの感覚は、ボール径だけでなく、軸の太さや先端の形状からくる心理的な影響も絡んでいるようです。
細密さを追求すると、かすれやすくなったりするのですが、これはその通りかすれやすく、ハッチングの時などによくそれを感じました。またインク色もやや薄く感じました。
ペン画で使用するのは、ちょっと使いにくいかも知れません。普通に字を書くなら、かすれることもなく、細かい字も綺麗に滑らかに書くことができる、非常にいいペンです。
12/13 ゼブラ SARASA CLIP
ゼブラから発売されているゲルインクボールペンです。耐光性、耐水性に優れた顔料インクを採用しています。
ボール径は0.3ミリ、0.4ミリ、0.5ミリ、0.7ミリ、1.0ミリで、インク色も20色と豊富です。赤い羽根に募金できるモデルや、抗菌仕様の軸のモデルなど、ちょっと変わった製品もあります。
名前の「クリップ」の由来は、厚みのあるバインダーにも挟める、可動式バインダークリップから来ています。
このゼブラのサラサシリーズは色々なバリエーションがあり、他にもいろいろなサラサがあります。
実際に使ってみての感想
0.3ミリのモデルを試してみました。
字を書くなら何の問題もなく、滑らかでスムーズな描き心地です。ペン画を描いてみると、クロスハッチを描く時にややかすれることがありました。かすれ具合は、uniball signo RT ほどではありません。
0.3ミリと極細の割には、やや太く感じました。描いたすぐ後に擦ると、汚れが出やすいです。紙を敷きながら描くなどの工夫が必要かなと思いました。
13/13 ゼブラ SARASA NANO
ゼブラのサラサにはいろいろなバリエーションがありますが、こちらはナノというモデルになります。
「うるふわクッション」という技術が採用されていて、中に仕込まれたスプリングが書く時の振動を吸収し、インクの滑らかさだけでは吸収できないガリガリ感を消しています。同じゼブラの油性ボールペンである「ブレン」と共通するコンセプトですね。
ボール径は0.3ミリと0.38ミリで、インク色は0.3ミリが15色、0.38ミリが10色と、なかなかの種類を揃えています。
実際に使ってみての感想
0.38ミリを試してみました。
同じサラサである、サラサクリップと書き比べてみると、はっきり違いを感じることができます。こちらは、まるで紙の凸凹がなくなったかのような滑らかな書き心地です。文字を書くには、大変気持ちいいですね。
ただペン画を描くとなると、ハッチング時にうまくいきませんでした。サラサクリップが少しかすれる程度でしたが、こちらは結構かすれます。uniball Signo RT を上回るかすれ具合かと思いました。
まとめ
いかがでしたか?
前回のミリペン以上に、ボールペンの世界は色々バラエティに富んでいますね。ボールペンの特性を知ることで、自分のやりたい表現をお手軽に実現できるようになります。
今回の記事には、私の主観やペンの個体差も含まれています。まず自分で試してみること。試してみると、人とは違った感想を持つこともあるでしょう。そして自分に合ったペンを是非見つけて下さい。
自分に合ったペンで練習を積んで、スキルを上げて、気に入った絵が描けるように頑張りましょう。