初心者でもプロ並み!おすすめのペン画ツール ミリペン比較 7選

ペン画を始めるためには、適切な道具を揃えることが大切です。何と言っても、まずはペン!


しかし、どのペンを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
迷った時は・・・



「何でもいい、とにかく試してみて!」


とはいえ、何も情報なしでいきなり「試してみて」と言われても・・と言いたくなりますよね。

この記事では、初心者でもプロ並みの作品を描くために必要なペンについて、具体的に紹介します。最後まで読んでいただければ、自分に合ったペンを選ぶことができるようになり、描画スキルを向上させることができます。

はじめに:ペン画に必要な道具・ペン

ペン画を始めるためのペンには、大きく以下の種類があります:

  • ミリペン
  • ボールペン
  • つけぺん
  • 万年筆

今回はミリペンを紹介します。ボールペンについて知りたい方については、以下の記事をご覧ください。

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ミリペン

ミリ単位の細い線を引くことができるサインペンの一種で、ドローイングペン、製図ペンと呼ばれることもあります。

  • 長所:インクが均一に出るため、一定の線幅のラインを描くことができ、細かいディテールを描くのに適しています。初心者にも扱いやすいのが特徴です。
  • 短所:一定の線幅のラインを引けるため、強弱をつけた表現には向きません。またインクはペン軸内に内蔵されていますが、交換はできず使い捨てになります。使い方によってはペン先が潰れたり、摩耗します。

描きやすく、かつ細密な描き込みをしたい、という方におススメです。今回紹介するミリペンは以下の通りです。

  • サクラクレパス PIGUMA
  • Staedtler Pigment Liner
  • PILOT ドローイングペン
  • 呉竹 ZIG Mangaka
  • Too コピックマルチライナー
  • SLIDER Fine Graphic
  • TACHIKAWA FINEPOINT SYSTEM

サクラクレパス PIGUMA





水性インクならではの滑らかな描き心地と、顔料インクの耐水性・耐光性を合わせ持った、プロ・アマ問わず愛用者の多いミリペンです。

太さのバリエーションも多く、最も細いものは上記画像の003となっています。003はその細密さゆえ、筆圧の強い方はあっという間にペン先が潰れてしまうような気がしました。
筆圧の強い方や、線に強弱をつけたい方は、別シリーズのピグマファインをオススメします。

ラインナップ:ピグマ:003、005、01、02、03、04、05、08、1、2、3、ブラッシュ(筆)、ピグマファイン
*太さのナンバリングはメーカー独自のものであり、必ずしも正確な値ではありません。

実際に私も003を使ってみましたが、黒の発色も良く、万人が「使いやすい」と思うでしょう。キャップに輝く金色も、所有欲を刺激する演出です。

Staedtler Pigment Liner




Staedtlerとはドイツの文具メーカーです。ドイツ製というだけで、なんだか高級なイメージがするのは、私のような昭和世代だけかもしれません。

こちらも水性顔料インクを採用しており、滑らかな描き心地、濃い発色、耐水性・耐光性を併せ持っています。
色は全12色あり、太さのバリエーションも豊富ですが、一番細密なものが0.05ミリとなっています。他メーカーに比べると、少々太めです。

ラインナップ:0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1.0、1.2、斧型0.3-2.0(斧型は細い線も太い線も描ける、カリグラフィーに向いたペンです)

キャップを閉め忘れても12時間ペン先が乾かない特殊なインク、ペン先が潰れにくい丈夫な作りと、こちらもプロの愛用者の多いミリペンです。

試しに購入したのが0.1ミリのものでしたが、以前画材屋の友人に0.05ミリのものをいただいたのを思い出し、試し書きをしてみました。


数年間引き出しの奥で眠っていたのですが、きっちりかけたのは、さすがドイツ製ですね。と思ってしまうのは私が昭和世代だからでしょうか?

PILOT ドローイングペン





日本で初めて純国産の万年筆を開発した、日本の誇る文具メーカー「パイロット」からもミリペンがラインナップされています。

こちらも水性顔料インクを採用しており、描きやすさと濃い発色、耐水性・耐光性を兼ね備えています。
ン先のインクを循環させる「インク・サーキュレーション・システム」が採用されていて、書き出しがスムーズなことが特徴です。

ラインナップは005、01、02、03、05、08となっています。一番細密な005を試してみました。確かに、上記のピグマ003とステッドラー0.1の、中間くらいの太さになっています。
*太さのナンバリングはメーカー独自のものであり、必ずしも正確な値ではありません。

細密さは003に劣りますが、あまりに細密な作業は疲れやすいものです。これなら疲れも少なめで、かつ細密な表現もでき、いいバランスだと思います。

呉竹 ZIG Mangaka




1900年(明治35年)創業という、100年以上の実績を誇る製墨・筆記具メーカーです。

こちらも水性顔料インクを採用しており、その性能は折り紙付きです。またMANGAKAの名前の通り、消しゴムによる擦れに強い・芯先の耐久性に優れていると言われています。

一番細密なものは003となっていて、ステッドラーやパイロットの005では物足りないという方は、試してみましょう。
ラインナップ:003、005、01、02、03、05、08、BrushFine、BrushMediumとなっています。
*太さのナンバリングはメーカー独自のものであり、必ずしも正確な値ではありません。

003を試してみましたが、ピグマ003と同様、細密な表現ができます。ピグマ003と比べると、インクがサラサラしているような印象を受けました。かといって黒が薄いわけではないので、サラサラした描き心地が好きな方は、こちらの方が合っているでしょう。

他のペンよりもペン軸が少々短めで、かつ太めのつくりになっています。持った時の感触がちょっと違います。他のペンを愛用している人は、馴染むまで違和感を感じるかも知れません。

Too コピックマルチライナー




こちらも水性顔料インクを採用していて、描き心地、濃い発色、耐水性、耐光性に優れています。

色数も10色あり、ラインアップも0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、0.8、1.0と豊富です。ブラシタイプもSサイズ、Mサイズの2種があり、他にカリグラフィタイプもあります。

インクの詰め替えが可能なマルチライナーSPという製品もあり、使い捨てが当たり前のミリペンですが、インクを交換して繰り返し使える優れものです。またインクだけでなくペン先の交換も可能になっています。

ペンというものはどうしても、線の描き始めの部分が少し濃いめになるものですが、これは描き始めから描き終わりまでほぼ一定な印象を受けました。
また描いていると、若干他の003より薄いかな?と思いましたが、描きあげたものを見比べるとそんなに違いません。しっかり黒いです。

呉竹のmangaka同様、これも若干ペン軸が短めです。ただmangakaと違い、太さは他のペンと同程度で、太くなっていません。そのため、人によっては、持つと頼りない印象を持つかも知れません。

外観はキラキラなメタリック調で、所有欲を満足させてくれそうです。

SLIDER Fine Graphic 0.03




こちらは10年前のペンのため、参考となります。

これは購入したものでなく、頂いたものです。
2014年に某広告代理店から、企画展に参加させていただいたギャラリーを通して仕事の依頼があり、その時に「このペンで描いて欲しい」と1箱いただきました。

これも0.03ミリがラインナップされていて、細密な表現が可能です。描き心地も良くスイスイ描けましたが、2014年当時は締め切りに間に合うか間に合わないか微妙で、夜遅くまで眠気に耐えながら頑張っていた覚えがあります。おかげさまで間に合いましたけれど。

今回10年ぶりに当時の未使用品を発見し、試してみました。

描き心地は相変わらずいいのですが、インクが変質しているのか、いくらハッチングを重ねても濃い黒になりませんでした。元々そうなのか、10年の時間がそうさせたのか、それは分かりません。

新品を購入しようとしても、どの画材屋さんにも、通販にも、取り扱いがありません。どうやら世界堂さんの店舗販売のみのようです。

TACHIKAWA FINEPOINT SYSTEM





他のミリペンがほとんど水性顔料インクを採用しているのに対して、こちらは油性インクです。そのため、ミリペンというより、サインペンのような描き心地です。

いや、ミリペン自体が元々サインペンの一種なんですが。

0.05ミリの割に線が太く、黒も濃く、それなりに滲みます。Staedtler の pigment liner の0.1ミリと比べても、こちらの方が太いです。

細密な箇所は他の0.03ミリのミリペンを使用し、強調したいところ、濃くしたいところはこのペンを使うというような、使い分けをすれば、効率も上がりペンの持ち味を活かすこともできるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

これらミリペンの特性を知ることで、自分のやりたい表現を実現できるようになります。適切な道具を使いこなすには、まず自分で試してみること。この記事を参考にしていただき、自分に合ったペンを是非見つけて下さい。

そしてペン画の基礎をしっかり学び、スキルを向上させて、プロ並みのペン画を目指しましょう。

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