ペン画とは?
絵と言っても色々な技法・ジャンルがありますが、その中の一つが「ペン画」です。
ペンやインクを使い、紙に描きます。
動物、人物、風景、花、木、描く対象はさまざまです。
モノクロで、白と黒のはっきりした作品が普通ですが、

カラーインクを使ったり、水彩と組みわせたりしてカラフルに仕上げることも可能です。私はカラーインクを使うことが多いです。

ここまで描きむにはちょっと気合いが必要になりますが、本来ペン画はペンと紙さえあれば誰でも始められる、お手軽さが魅力の一つです。
ペンなんて特別なものは必要ありません。100均で購入した事務用で十分可能です。
紙も、コピー用紙で十分可能です。
初心者の方でも気軽に始められ、少し練習すればかっこいい作品を描くことができるようになります。
そして描けば描くほど奥の深さを実感し、のめり込んでいく人も多いです。私もその一人です。
ペンというものはものすごく身近な道具なだけに、道具の優劣よりも、技術(テクニック)の優劣が作品の完成度を左右します。
そこが奥の深さです。
皆さんものめり込んでみませんか?
ペン画を始めるために必要な知識、情報、技術は、以下のページに順次公開していきます。
ボールペンでもOK!の気軽さ
事務用のボールペンとコピー用紙でOKなので、大変お気軽です。会社の仕事や学校の授業の合間にちょろちょろっと・・でも可能です。(仕事や勉強はちゃんとやって下さいね)
旅先などですごく感動する景色に出会った時、スマホでパシャリもいいですが、ペンとスケッチブックを出してスケッチを始める、おしゃれでかっこいいじゃないですか。
ある程度描けるようになってくると、こういう表現をしたいからこういう道具が欲しい、という欲が出てきますので、その時点で違う道具を検討すれば良いでしょう。
緻密な表現が可能
筆を使うよりも、小さい点や細い線を描くことができます。緻密に描き込みたい方には、とても合った表現方法です。細いペンは0.03㎜からありますし、独自に工夫すればもっと細い、もっと小さい表現も可能です。
広い面積は気合いが要る
逆に、広い面積を手早く仕上げることはできません。太いペンもありますが、太い筆ほどではありません。自然とペン画作品は小さめになります。
A4サイズ以下、4号以下で描いている人が多いですが、A3サイズとか、10号程度のものを描いている人もいます。
私の作品の最大サイズは、四六判の全判(788×1091mm)です。

このくらいのサイズで描いている人、たまに見かけますが、
大変ですよね。お疲れ様です。
この大きさでも、号数に換算すると、40号〜50号程度なんです。100号の油彩画の隣に並べたりしたら、見劣りしてしまいます。
絵というものは、大きいということはそれだけでかなりのアピールポイントになります。もちろん、アピールポイントは大きさだけではありません。それでも横に並べられてしまうと、大きさの不利を覆すのは難しいです。
ですから、もっと大きいペン画を描いている人もいます。変態ですね。(褒め言葉)
独特の雰囲気
白い紙に黒いインクで描いていくことが多く、描かれた線は非常に鮮明です。あまり質のよろしくない紙でも作品として成り立つため、印刷用の原稿として使われることも多いです。漫画とか、劇画とか。
昔の劇画とか、ペン画作品として十分成り立つものも少なくありません。
コントラストの強い独特な雰囲気になりやすく、ファンタジーな作品に仕上げたい、レトロ感を出したい、アンティーク感が欲しい作品に向いています。
夢の国の象徴、シンデレラ城も、ペン画にするとこんな感じです。

また、コントラストの弱いふんわりした柔らかな表現も可能です。線や点の疎密で表現します。淡いグレーや濃いグレー、またそのグラデーション、ウサギや猫など動物の毛のモコモコ感も表現可能です。
修正できない
間違えても修正はできません。鉛筆画なら消しゴムで消す、油絵やアクリル画なら上から塗り重ねて隠してしまいますが、ペン画はどちらもできません。
砂消しゴムで削り落とすという方法もありますが、紙の表面を痛め、修正後の加筆がやりにくくなるため、あまりおすすめできません。
最初から仕上がりを予想しておき、鉛筆で下描きをしっかりやっておく、という必要があります。
デメリットのように感じますが、これを逆手にとり、下描きなしでいきなりペンで描き始めることもできます。当然線が歪んだり、少し位置がずれたりしますが、そういう偶然による結果もまた表現の一つとして活用することができます。
私は過去に一度、制作中の作品の上にインクをこぼしてしまったことがありました。こういう時は普通は最初から描き直しになりますが、ある程度描き進めた四六判全判の作品を最初から描き直す気になれず、こぼしたところを切り取って継ぎはぎしました。
もう2度とやりたくない修正法ですが、そういう手段もあります。
技術、テクニック
点を積み重ねる点描、線を積み重ねるハッチング、最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると手が自然と動くようになります。描けば描くほど上手になります。技術の差が明白に出るので、過去の作品と今の作品を比べ技術の進歩を実感するのもまた楽しいですね。
ペン画はマイナー
油絵やアクリル、水彩、日本画など、絵画にはいろいろな技法がありますが、ペン画はその中でも比較的マイナーな技法です。SNSなどを見ると描いている人はたくさんいますが、不思議なるかな、マイナーな扱いです。
公募展の応募要領を調べてみると、応募ジャンルとして「油絵」「水彩」というのはよくありますが、「ペン画」はほぼありません。公募主催者に確認してみると、「その他にして下さい」「水彩にして下さい」「なんでもいいです」対応方法もまちまちです。
そのため、条件によっては非常に目立ちます。他の作品との差別化ということでは、大変有効です。
ただしいつも目立つかというと、そうでもありません。発色に優れ色彩の深みもある油絵やアクリル画に囲まれしまうと、ペン画は目立たず埋もれてしまう、というケースもよくあります。
公募展に応募する時には、条件をよく検討しましょう。
以上、ペン画の特徴についてでした。次回は道具についてです。それではこの辺で。