【初心者必見】上達しない!間違いだらけの練習方法
絵というものは「上手く描けないといけない」わけではありません。

しかしやはり、「上手に描く」というのは絵の基礎基本ですし、強力な武器の一つにもなります。上手に描くには練習が必要ですが、間違った練習方法をしていては時間も労力も無駄になりかねません。
この記事では、初心者がよくやってしまう、間違った練習方法を紹介します。最後までご覧いただき、効果的な練習方法に切り替えていきましょう。
1.写真だけ見て描く
実物のモチーフを用意したり、外に出て風景を見たり、モデルさんを依頼したりするのは手間がかかりますが、写真を使えばその手間はかかりません。手間も費用も節約して、ある程度のレベルまで上手くはなります。
ただし、写真だけでは、薄っぺらい平面的な絵になってしまいます。
写真は二次元ですが実物は三次元です。現場でしか感じることができない空気感、遠近感、距離感というものがあります。そういったものは、写真だけ見て描いていたら表現することができません。
風景画を描く場合、現地の風や温度を感じながら描くのと、写真だけ見て描くのとでは、成長度合いは全然違います。

芸能人の写真を見て模写をする方もいます。SNS上にアップされている作品の中にも、これは写真か、と思えるほどの作品もあります。
そういう描き方でもある程度上手にはなりますが、そればかりしていると、幅の広い応用の効く技術は身につきません。
実際にモデルさんを描く練習を積んできている方なら、二次元である写真から三次元の実物を想像することができ、素晴らしい絵を描くことができます。
手間やコストだけ考えると写真は楽ですが、幅広い技術を身につけ絵描きとして成長したいなら、手間やコストはかけましょう。
どうしてもモデルさんを用意できないなら、自画像でもいいのです。
「こういう絵を描いて欲しい」
と依頼が来た時に、
「描けません」
では、カッコ悪いじゃないですか。
頑張って描いても「なんか違う」では、カッコ悪いじゃないですか。
私が描きたいのはアニメだから、イラストだから、漫画だから、写真でいい!という方もいます。しかし、実物を見て描いた経験の少ない人は、経験豊富な人がみるとすぐ分かります。もののバランスがおかしかったり。大きさ、位置が不自然だったりします。
またネットで見つけてきた写真を使うと、著作権侵害にあたる可能性もあります。注意が必要です。
2.基礎となるデッサンを練習しない
「絵を描けるようになりたい!」と思い立ったのはいいものの・・・。
まだ基礎ができていないのに、いきなり油絵、いきなり水彩画、いきなりタブレット、等使い始める方がいます。あんな油絵描きたい、こんな水彩描きたい、気持ちは分かります。
希望は大きく持ちたいですよね。

ですが基礎ができていないので、ある程度までは上手くなりますが、壁に当たって頭打ちになります。
上手になりたいのなら、デッサン力を身につけることが一番の近道です。デッサンを練習することで、形をとらえる練習と陰影をとらえる練習ができ、表現の幅が広がります。

例えば、立派な建物を建てようとしたら、いい材料、高級な建材を調達する必要がありますが、基礎がしっかりしていないとどうなるでしょう。
立派な建物を建てたとしても、あちこち歪んで壁にヒビが入ったり、床が水平でなくなったりします。地震が来たら倒壊する可能性も高いです。欠陥住宅ってありますよね。
しっかりした基礎の上に建った建物なら安心ですね。
絵を描く場合も同じです。デッサンを通してしっかりした基礎を練習することを意識しましょう。
3.感覚だけに頼る
大きさや位置関係を測定せず、感覚だけに頼って描いていると、上達は難しいです。実は、絵を描くほとんどの人がやってしまいがちです。基礎デッサンをしている方でも、よくやってしまうことです。
目で見たものを見たまま描くのは当然ですが、実は目で見ているものは結構狂っていることが多いです。乱視の方なら狂うことはあるでしょう。ですがそうでない方もやはり狂います。
目で見るということは、モチーフを反射して目に入ってきた光を、脳が処理して認識する、というメカニズムになっています。

つまりあなたが今見ている思っている景色は、脳が処理した画像です。処理の仕方で見え方が変わってきます。
正確に処理できているとは限りません。
ですから、目で見るだけでなく、測ることが大切です。

鉛筆や定規をかざしながら、縦と横の比を測ったり、モチーフの位置関係を測ったりすると、自分の見ていたものと実物とのズレが認識できるでしょう。
このことを意識しないで練習を積んでいても、上達は難しいです。
例えばサッカーのシュートを上達したい人が、やみくもにボールをただ蹴る練習を続けても、キーパーの隙間を通しゴールする能力は上達しません。
野球のピッチャーになりたい人が、ただ壁に向かって投げる練習をしていても、ストライクゾーンギリギリを狙って投げる能力は上達しません。
絵も同じです。感覚に頼ることも必要ですが、それだけに頼らず、客観的に測ることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?まとめると、以下になります。
- 写真だけ見て描く
- デッサンを練習しない
- 感覚だけに頼る
こういった練習をしていても、なかなか上達しません。上達しないと、モチベーションも下がりやすくなります。過去の絵を振り返った時、「あぁ、上手くなったなぁ」と思えると、例えスランプ中だったとしても、やる気が出てくるものです。
ですが・・・。
まるで写真のように写実な絵は、確かにすごいです。見た瞬間「うまいねぇ〜」って思います。
ですが、絵に限らず、音楽や建築など、芸術活動というものは、
「見た人の心が動かせるかどうか」
が大切です。これは必ずしも「上手くなければならない」というわけではありません。「確かに技術的には上手いけど、ただそれだけ」となってしまうこともあります。
上達するのは大切ですが、技術だけに頼らず、心も磨きましょう。絵を描くときだけでなく日常生活を送るときからアートの感性を持ち、アンテナを張っておくことが大切です。
絵を描くということは、技術と心の両輪なのです。どちらかだけでは真っ直ぐ走りません。このことを意識して、充実した絵描き生活を送りましょう。

