デッサンは必要か?

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絵を描くための基本練習として、デッサンが挙げられます。

 


デッサンと一口に言っても、鉛筆デッサン、木炭デッサン、静物デッサン、石膏デッサン、色々あります。

美大・芸大を受験する方や、予備校や絵画教室に通っている方、絵画やイラスト関係の専門学校に通っている方なら、当たり前のように画用紙に練習しています。




デッサンというものは、地道な練習です。地道な練習そのものが好きならいいのですが、そうではない人の方が多いでしょう。

  • 憧れの先生や憧れの画家が描くようなすごい絵を、早く描きたい
  • 油絵の道具や水彩の道具を購入したので、早く使いこなしたい
  • イラストや漫画を描きたいからデッサンは必要ない
  • タブレット(iPad)やPCでデジタルアートとして描くので、デッサンは必要ない

という初心者にとっては、デッサンなんて面倒くさいと思うのではないのでしょうか。絵を描くにあたって、果たしてデッサンの練習は必要不可欠なものなのでしょうか?

この記事では、デッサンの必要性について考えてみたいと思います。 

デッサンの必要性

結論から申します。デッサンは必要です。


めんどくさい〜って、思いましたね?

受験生時代は、私もそう思ってました。頑張らなきゃとは思うものの、やっぱり集中してモチーフを観察し、鉛筆を持つ手を動かし続けるのはしんどい作業でした。

何事もそうですが、物事の基礎・基本というのは、派手ではなく目立たない地味なものです。




立派な豪邸や空高くそびえ立つ高層ビルには、それに応じたしっかりした基礎工事が必要です。でなければ年月が経つと傾き、地震が起きたら倒壊する恐れがあります。



世界のホームラン記録を持つ王貞治さんは、一本足打法を完成させるために畳がボロボロになる程素振りをしたそうです。しかもバットだけでなく日本刀も。




独特な絵が有名なピカソさんですが、


若い頃の作品は、写実的でしっかり基礎トレーニングができているのが分かります。

デッサンの利点3選

デッサンをすると身につくことは、以下の3つです。

  1. 絵を描くための観察力が向上する
  2. 観察したものを表現する描写力が向上する
  3. 絵に説得力・安心感が出る

1.絵を描くための観察力が向上する

ビンやカン・コップを描いた時、形の歪みがあると「なんか変」な印象になります。
うさぎや猫を描いた時、ふわふわ感がないと「なんか変」な印象になります。
パンやおにぎりを描いた時、観察力が不足していると「これは何?石?」となります。

油絵や水彩画などの本格的な絵画なら、観察力が必要なことは分かりやすいですね。イラストやデジタルアートは関係性が薄いように思えますが、観察力が不足していると不自然な仕上がりになることが多いです。

特に人体のデッサンは練習を積む必要があります。イラストでキャラや人体を描く場合、デッサンの基本ができていないと残念な仕上がりになることが多いです。

2.観察したものを表現する描写力が向上する

観察したことをきちんと表現するには、描写力が必要です。

・ゴツゴツした石・岩の感じ
・ふわふわの犬・猫のぬいぐるみ
・いい音を出しそうなガラスのコップ
・風の音が聞こえてきそうな木の葉




これらを表現したくても、デッサン力が不足していたら表現できません。かわいい愛犬を描いたつもりなのに、銅像みたいに固く見えてしまったら、ちょっと悲しいですよね。

3.絵に説得力・安心感が出る

観察力も描写力もない絵画・イラスト・デジタルアートを理解してもらおうとしたら、当然言葉で説明する必要が出てきます。

しかし本来アート作品というものは、言葉で説明し左脳で理解するものでなく、右脳で言葉を使わず感じ取るものです。パッと見て、言葉なしでパッと感じてもらいたいですよね。

基礎がしっかりした方が描いた絵は、見ていても安心感があります。ずっと見ていられる絵というのはそういうものです。

副効果

絵を描く速さが必要になるケースもあります。

時間に制限のある受験や、プロとして活躍し注文がたまっているイラストレーター、定期的に締切がやってくる漫画家さん・・・。

デッサンの基礎を鍛えてある方なら、複雑なモチーフを描くときも、単純な図形の組み合わせとしてとらえることができ、短時間で効率よく描くことができます。




また、デッサンが未熟な人の絵を見た時に「不自然だな」と気がつくようになります。自分が渾身の力作だと思って仕上げた作品が、他人に「不自然だ」と思われていたとしたら、カッコ悪くないですか?

プロの漫画家さんの中にも、デッサン力が足りない方はたくさんいますが、ストーリーやキャラの魅力が素晴らしい方もいるので、一概に良くないとは言えません。

デッサンの勉強法

では、初心者の方がデッサンを勉強しようと思ったら、どうしたらいいでしょうか。

初心者の方にオススメなのは、鉛筆による静物デッサンです。

鉛筆なら身近な道具ですし、スケッチブックがあればすぐに取り組むことができます。円柱、立方体、球といった基本図形から練習を始め、缶やビン、布、縄、ハケなど色々な質感のモチーフに取り組んでみましょう。

石膏デッサンは、石膏像がないとできません。円柱や立方体など基本図形の石膏なら初心者の方にも取り組みやすいですが、いきなりマルスとかビーナスとかガッタメラータとかに挑戦するのは、難易度が高過ぎます。



木炭デッサンも良い練習になりますが、道具を用意するのが少々難点です。

デッサンの詳細については、以下の記事に詳しく記載しています。ぜひ参考にしてください。

これさえできればOK!絵が上手くなるための3つの基礎

ペン画を描くにあたり、いくらいい道具を選んで、その道具の使い方に慣れたとしても、それだけではかっこいいペン画を描くことは難しいでしょう。     風景、人…

まとめ

絵を描くうえで、基礎となるデッサンは大変重要です。

ローマは1日にして成らず、千里の道も一歩から、です。歯を食いしばってコツコツ頑張るのもいいですが、できれば楽しみながら取り組めるようになるといいですね。

天気のいい日にスケッチブックと鉛筆を持って、景色のよい風景を描きに出かけるのもまた楽しいものです。

やったぶん必ず上達します。1週間後の自分、1ヶ月後の自分、1年後の成長した自分を想像し、ニヤニヤしながら取り組みましょう。

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