ペン画のプロへ
学習塾業界の先行きに不安を感じ、製造業へ転身したものの、なかなかうまくはいきません。取引先からひっきりなしにやってくる不具合の対応に振り回される毎日でした。しょっちゅう鳴りまくる電話が、怖かったなぁ。
三六協定なんて違い世界の出来事だったこの時代、当時は残業時間は月100時間超が当たり前(残業代はきちんと出ました)、必要な知識・スキルを身につけるための研修は何もなく、直属の上司はフォローどころか無関心、さすがにこれはおかしいと思いました。
研修なしでも、数ヶ月も経験すると少しずつ知識を身につけ、戦力として期待される存在にはなってきていましたが、このままここにいては危険だ、ここは抜け出さなくてはならない、と頭の中で非常ベルが鳴り続けていました。
製造業が全てそういう職場だという訳ではありません。誤解なきよう。当時の職場も、今では色々改善されているはずです。
そんなある夏の休日、たまたま山方面へ遊びに出かけ、その帰りの車内で見た壮大な山の景色に感動しました。
感動しながら、ふっと何かが天から降りてきたような気がしました。
「ペン画のプロになろう」
将来性に希望が持てない学習塾業から、安定した製造業へと転身しました。そんな中、壮大な山の景色を見て感動し、神サマが自分の気持ちに気づかせてくれたのかもしれません。
それまでは学習塾業界で生活しながら、趣味としてペン画を描いていました。毎日描く訳ではなく、描きたくなった時に何となく描いている状態でした。プロになれる訳がないから、それで満足だと思っていました。
その考えを改め、生活のために我慢する人生でなく、好きなことをして楽しむ人生にしようと決意しました。
ペン画のプロへの道
当時考えた、プロ化への道は以下の通りです。(正直、これだけでは到底プロ化は無理なのですが、知識の乏しかった当時、仕方ありません。)
プロ化への道①毎日ペン画を描こう
描きたくなった時に何となく描くのでは、スキルアップは見込めないだろう。毎日継続しようと決めました。
毎日描こうと決め、久しぶりに描いた作品がこちら。
もめ事、転職、引越し、いろいろあって、しばらく描いていませんでしたので、未熟です。ペンが手につかないっていう状態で、非常に困りました。
毎日描く大切さを痛感しました。
10年以上、毎日描き続けると、こんな感じになります。
プロ化への道②情報収集しよう
絵を描き続け、公募展や団体で賞を取れば、そのままプロになれると思っていました。(今なら、その方法じゃよほどの実力と幸運がないと無理だと知っていますが)そのため、どんな公募があるか、どんな団体があるかの情報を集めました。
プロ化への道③情報発信しよう
絵描きのプロになるには情報発信も大事だと考え、個展を開催したり、webサイトを作って情報を発信しようと考えました。そのため、個展開催のための作品数を確保すべく毎日絵を描き続けることと、webサイトを作成することを始めました。
当時はSNSはあまり普及していなくて、mixiくらいだったかな。
WordPressなんてまだまだ全く知らないので、HTMLとCSSを独学で勉強し、ちまちま手作業で作成しました。できたものを、プロバイダの無料ホームページサービスを利用してアップしました。
この時つけたサイト名が「アトリエ松竹梅」なんです。今書いているこのブログはWordPressを使用して最初から作り直していますが、当時手作りで作成したサイトの名前を引き継ぎました。
ちなみにそのサイト、まだ残っています。もう消してもいいんですが、何となく残してます。下リンクからご覧いただけます。
プロ化への道④会社を変えよう
月100時間超が普通な職場にいては、毎日絵を描くどころではありません。かといっていきなりペン画のプロとしてやっていける訳ではありません。
もう少しまともな職場があるはずだと思い、転職情報を集め出しました。
かつて勤務していた2つ目の学習塾が、それまでの私の人生で一番充実していました。ここを退職して以来数年間、どちらかというと人生の谷底にいる感が強かったのですが、やりたい事もはっきりして、浮上の兆しが見えてきました。
光が見えてきたという感じです。
ただ、上記の方法だけでプロになるには、よほどの幸運と実力がないとできません。というか、フツーできません。趣味で描き続けるなら十分ですが。
私と同じように会社勤めをしながら絵を描いている方で、絵で独立したいと考えている方、誤解しないでくださいね。
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