【ペン画】樹木を描いてみよう 松(マツ)編

樹木は、風景画を描くにあたって重要なモチーフの一つです。

ペン画で描いたり、ペン画と水彩画を組み合わせたり、技法はいろいろあります。
どんな技法を使うにしても、樹木を描いたことがない初心者の方には、どう描いたらいいのか迷うかも知れません。

たくさん茂った葉や枝、描くのが面倒そう・・・。
どう描いたら樹木らしく見えるのか・・・。
途中まで描いてみたけど、もう疲れた・・・。



この記事では、樹木を描いたことのない初心者でも描けるよう、樹木を描くコツを紹介していきます。

樹木にもいろいろ種類がありますが、今回は松(マツ)の木を紹介します。松の木は針状の葉が中心から広がっていて、ペンで描くのにちょうど良いモチーフです。海岸の景色には、松の木がよく似合いますね。

是非最後までご覧いただき、充実したペン画ライフを送っていきましょう。

樹木(マツ)を描くコツ

①葉はかたまりでとらえる

冬期の落葉樹でない限り、葉がたくさんあるのが普通です。ですが、一枚一枚描き分けていたらかなりの手間になります。

もちろん一枚一枚描いてもいいのですが、そのように表現するにしても、描き始めの段階から細部にこだわっていると、全体のバランスが崩れやすくなります。ある程度のかたまりとしてとらえるようにしましょう。



例えば、この部分。


下描きの最初はこのくらいで十分です。



大きなかたまりをとらえたら、中心と葉の方向を描いておきましょう。松の葉は放射状になっています。新芽が出ていると中心が分かりやすいですが、新芽が無くても、よく見れば中心は分かります。


②幹は円柱

松に限った話ではありませんが、幹は円柱の描き方を応用します。ある程度太い枝も同様です。


光の方向を意識し、陰影をつけることで立体感を表現することができます。
円柱の描き方についての詳細は以下をご覧ください。

【初心者必須】円柱デッサンを練習して絵を上達させよう

Contents円柱デッサンとは?必要な道具と準備:円柱デッサンを描くための基本セット円柱の描き方ステップ1:中心線を引くステップ2:楕円の横の印をつけるステップ3:楕円…

③骨格を意識する

葉で隠れて見えないことが多いですが、樹木というものは、幹や枝の骨格から成り立っています。写真だけでなく、実物を色々な方向からよく観察して、幹や枝の方向や枝分かれ具合を確認しておくと、全体をとらえやすくなります。触っても良いなら、手前の葉をどかしてみて奥を確認するのもいい方法です。

松のような常緑の針葉樹では難しいですが、落葉した冬期に樹木を見ると、観察しやすくなります。

夏に描いている時に、葉が落ちる冬まで待つ、そこまでしなくてもいいですよ。

それでは描いてみましょう

実際に松の木を描いてみました。

描き方は人それぞれであり「こうでないといけない」という訳ではありません。みなさんそれぞれの描き方で何も問題はありません。

ペン画歴約30年の私ならこう描きます、という手順として参考にしてくだされば幸いです。




モチーフはこちらです。




使うペンはボールペンでもミリペンでもつけペンでも何でもいいです。今回はこれにしました。


コピックのマルチライナー0.03です。かなり細密な表現も可能にも関わらず、初心者でも扱いやすい、いいペンです。

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感想(10件)






①まずは鉛筆で下描きします。

4B程度の柔らかい鉛筆で、大雑把に全体の形をとらえていきます。
この段階で、葉の一枚一枚等、細部にこだわり出すと、時間がかかるだけでなく全体のバランスが崩れて不自然な仕上がりになりやすいです。「コツ③骨格」を常に意識しながら、柔らかい鉛筆で描き進めていきましょう。


葉のかたまりをもう少し細かく描いていきます。

かたまりの中心に新芽があるので、この段階で描き込んでいきます。



かたまりの中心から出ている、葉の方向を描き込んでいきます。

松っぽくなってきましたね。
幹のひび割れも描き込んでいますが、これは下描きなしでいきなりペン入れしてもいいでしょう。



②ある程度描き込んだら、ペンを入れていきます。

どこから描き始めるかは決まりはありませんが、私はいつも葉から描き入れていきます。



③暗いところと明るいところを描き分けていきます。



④幹や枝も描き込んでいきます。

今回は先に葉を描き、後から幹を描きましたが、好きな順番で構いません。


幹を描く時は、表面のヒビなどの模様を先に描き込んでいきます。



その後、全体の陰影を描き込んで円柱を表現します。

先に陰影を描き込んで円柱にしてもいいのですが、表面の模様が描きにくくなるので、私はこの順序で描いています。


また光が当たるところは、ヒビの底の暗いところをしっかり描きますが、明るいところは白のまま残します。明暗を強調することで表面の凸凹をより強調することができます。





一通り描き込んだところで、いったん離れて全体を確認します。

ここからすることは・・・

葉のかたまりはまだ「明るい」「暗い」の2段階で描き分けただけなので、中間の調子を入れていきます。

暗いところがまだきっちり暗くなっていないので、メリハリをつけるため暗いところにペンを追加していきます。
消しゴムをかけて下描きの線を消すと少しペンが薄くなります。それも見越して暗いところをより暗くしていきます。



完成とします。

今回は技法の紹介のため、背景は描き込んでいません。

まとめ

いかがでしたか?コツは以下の3つでした。

①葉はかたまりでとらえる。
②幹は円柱
③骨格を意識する

樹木の葉や枝がたくさんあると、面倒になってきて描く気持ちが失せてくるかも知れません。葉の一枚一枚にこだわらず、かたまりでとらえるようにすることで、完成像を想像しやすくなります。

完成像が想像できると、出来上がりが楽しみになり、どんどん描き進めたくなります。

完成した作品を眺めて、素敵なペン画ライフを楽しんでください。

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