【ペン画:質感】初心者向け 石・岩の描き方
風景画にしても静物画にしても、石や岩を描く機会は多いです。ずっしりとした石の質感、ごつごつとした石の表面は、どうやって表現したら良いのでしょうか?
↓こちらはペン画です。
↓こちらは写真です。
この記事では、ペンで石の質感を表現する時のコツを紹介します。木や石など自然物は、絵を描くときの定番です。是非最後までご覧いただき、あなたの人生にハリとうるおいを与えてください。
石の質感を表現するコツ
①線の方向と長さを意識する
研磨加工などがされていない石なら、表面はごつごつしていたり、欠けていたりして、独特の表情があります。ペンを走らせる方向を意識して、この表情を表現します。
石の種類によっては、規則的な模様を形成している場合もあります。石の規則性とペンを走らせる方向・長さを対応させると、石らしい質感が高まります。
②全体的を意識する
表面の細かな表情は大切ですが、それだけにとらわれて全体的な形・陰影を見失わないようにしましょう。
全体的な形
大きく分けると、丸い石・三角の石・四角の石があります。この全体的な形を捉えたうえで、細かい表情を見ていきましょう。
全体的な陰影
上から光があたると、下の方は暗くなるのが普通です。細かい陰影にとらわれすぎて全体の陰影のバランスを見失わないよう注意しましょう。
どんなモチーフでもそうですが、細部と全体を繰り返しループさせながら絵を仕上げていくのです。
③そっくりに描こうとしない
きちっと加工されている場合は別ですが、多くの場合石は自然物です。多少形が狂っていても、多少大きさが違っていても、気になるものではありません。石らしい質感が表現されていることの方が大切です。
実際に描いてみました
今回使用するペンはこちらです。
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①鉛筆で下描きした後、暗部からペンを入れていきます。
どこから描き始めるかは人それぞれなので正解はないのですが、私の場合、明るい部分よりも暗い部分から描き始めた方が、各部分の境目がはっきりして、以降の工程も進めやすいと思っています。
石と石の境目など光の当たりにくい部分はかなり暗くなります。黒く塗りつぶすくらいの感覚で描き込んでみましょう。
②明るい石の表面にペンの調子を入れていきます。
入れ方によって印象が変わってきます。今回は実物そっくりに描くのが目的ではなく、描き方の紹介をするのが目的のため、あえていろいろなペンの使い方を試してみました。これから描く方の参考になれば幸いです。
②-1 短い線で、方向を変えて
凸凹した質感になります。線の長さを短くすると細かい凸凹になり、ある程度長くすると大きな凸凹になります。
②-2 短い線で、もっと方向を変えて
あまり大きく向きを変えると、石の質感が損なわれることがあるので注意しましょう。
リアルな表現を追求するのではなく、線の面白さを追求する場合には、あえてこのように描くこともあります。
表現に「良い」「悪い」はありません。あなたの描きたい表現を追求してください
②-3 短い線で、方向をそろえて
線のつなぎ目が石の表情を映し出してくれます。狙った位置でつなぎ合わせるよりも、何も狙わず偶然の効果を期待して線をつないだ方が、面白い表情を生み出すことが多いです。
②-4 長い線で
研磨した表面のような、ツルリとした表面を表現したい時は、短い線をつなぎ合わせるよりも、出来るだけ長い線を同じ向きにそろえた方がそれらしく見えます。ただし長い線を同じ向きにそろえて描くのは、ある程度の慣れが必要です。慣れないうちは線を引く練習をしておきましょう。
③落ち葉や草・コケなどを描いていきます。
風景を描く場合などは、石だけ単独で存在することは少ないです。枯葉や草・コケがあったら合わせて描き加えておきましょう。より自然に見えます。
④全体の陰影のバランスを調整し、完成とします。
ある程度細部を描いたら少し離れ、全体の陰影のバランスを確認しましょう。最初に描いた暗い部分が、細部を描き加えることで、思ったよりも暗く見えないことがあります。
また同じように暗い部分でも、より暗い部分とより明るい部分があります。同じように明るい部分でも、少し暗い部分とかなり明るい部分があります。
⑤どこまで描き込むか?
ペン画というものは、一度引いた線は取り消しできません。描き込みすぎには注意してください。
論語に、「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉があります。砂消しゴムで削るという方法もありますが、紙を傷めるのでおすすめしません。
ペン画は止め時が肝心です。
かといって、描き込み不足では存在感が薄くなり、スケッチやクロッキーのような仕上がりになってしまいます。その辺のバランスは難しいですが、上手な方の作品をたくさん見て、「自分ならどう描くか」を意識しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
本日紹介したコツは以下の3つです。
①線の方向と長さ
②全体
③そっくりに描かない
石の描き方をマスターして、私と一緒にすてきなペン画ライフを堪能しましょう。