学習塾2つ目
職探し再び
せっかくグラフィックデザイナーとして転職したのですが、理想と現実のギャップから、1ヶ月経たずに辞めてしまいました。次の仕事は決まっていません。
引っ越ししたばかりであまりお金もないので、急いで次の仕事を始める必要がありました。
デザイン業界での挫折のため、再び学習塾の求人を探しました。学習塾ならキャリアもあるし、即戦力として就職できるはずです。
求人情報誌で募集していたところに問い合わせたところ、すぐに面接となり、そして採用されました。
私の得意教科は理系であり、理系を教えることができる先生は、需要が高いです。
教員免許も持っていますが、美術なんですけどね・・。
厳しい研修
新しく就職した2つ目の学習塾は、現場の先生の指導力を売りにしていて、少子化の時代でもそれなりに成果を残しているところでした。
入社してまずやったのが、他の先生方の前で模擬授業でした。
模擬授業というのは、他の先生たちが何人も集まって生徒役をやり、その生徒役の前で授業をするというものです。一通りやった後、あれは良かった、これはこうした方がいい、とアドバイスをもらいます。
ある程度自信はあったのですが、ここで見事にその自信を打ちのめされました。
この模擬授業で私は「まだ生徒たちの前に立たせられるレベルではない」という結論になり、しばらく他の先生について見学し、かつ模擬授業を繰り返して授業のレベルを上げる、という研修を受けることになりました。
この研修というのが厳しく、模擬授業が準備不足だったりすると、机や椅子を蹴って怒鳴られたり、普通でした。自分も初期のころはよく怒鳴られましたねぇ。(今思えば、パワハラですね。)
少子化の時代でもそれなりに成果を残しているだけあって、レベルが高かったです。最初に勤務していた学習塾では、教え方の技術はまだまだだったと実感しました。
そのため、最初は憂鬱でした。
転職なんてしなければよかったのに、とも思いました。
他の先生の授業を見ていても、どうしたらいいんだろう、と考えてばかりでした。
かといって、もう一度別の就職先を探している余裕はありませんでした。
ペン画家のプロになるという道もありましたが、それは趣味であり、生活の糧にすることは不可能だと思っていました。またこの頃はペン画を描いている余裕もありませんでした。
何とかこの職場で、自分の立ち位置を作るしかない、そんな状況でした。
精神的にきつかったですが、それでも「デザイナーとして入社したはずなのに状態」に比べれば、いくらか楽でした。
心が壊れてしまう、とは思いませんでした。頑張れば何とかなりそうだという気持ちはありました。
2〜3ヶ月研修をしていると、授業のやり方も分かってきて、「もう大丈夫だろう」というお墨付きをもらい、その頃理系が手薄だった塾舎へ正式に配属となりました。
研修は厳しかったですが、授業のやり方、人に何かを伝える時どうやって伝えたら良いか、どうやったら分かりやすくなるか、そういったプレゼンテーション手法を身につけることができました。
これは学習塾講師を引退した今でも、かなり役に立っています。
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