【ペン画:質感】木目を描いてみよう
ペン画に限らず絵画を描く場合、人物・動物・風景など定番ですが、木目の表現も定番です。
この木目の表現というものは、実は初心者でも扱いやすく、描き終わった後の満足感も高いものになります。やったことのない方は是非やってみてほしい題材のひとつです。
今回は、ペンを使っての木目の描き方を解説します。ぜひ最後までご覧いただき、表現技法をマスターして、一緒に奥深いペン画の世界を堪能しましょう。
木目の質感の出し方のコツ
①繊維の方向を意識する
木目には方向があります。
ペンは、木目に沿った方向に走らせましょう。
木目の表現は難易度は高くありません。これさえ意識しておけばほぼ大丈夫です。
②全体の陰影を確認する
どんな表現でも変わりありませんが、細かいところに神経を使いすぎると、全体の陰影を見落としがちです。
目を細めてみる。
ちょっと離れてみる。
スマホなど画面越しにみる。
など、全体的な陰影を捉えるようにしましょう。
③細部にこだわりすぎない
木目の本数とか、カーブの曲がり具合とか、そっくりそのまま描こうとしないことです。質感の表現が目的です。少しくらい木目の形が違っていても、違和感はありません。
そっくり描くのが悪いわけではないのですが、あまりこだわりすぎると、時間がかかるだけでなく、根気が尽きたり、全体的な陰影を見失ったりする原因にもなります。
ビンやコップなどの幾何学的な形ならば、形が狂うと違和感を感じますが、木目はそうではありません。
どーんと構えましょう。
実際の描き方
今回のモチーフはこちらです。
木目の表現を目的とするため、今回は背景の緑や旗は省略します。
今回使うペンは、ステッドラー社のピグメントライナー0.05です。
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ミリペンは初心者でも描きやすく、太さのバリエーションも豊富です。おすすめです。
紙は漫画用原稿用紙です。紙の種類としては、上質紙です。
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ペンも紙も、芸術家御用達の専門的なものではありません。普通の文具です。ペン画の長所は、初心者でも手軽に始められることです。
描く順番は以下の通りでなくても構いません。自分のやりやすい順番がありましたら、その順番で描きましょう。
①まずは鉛筆で下書きをして、一番濃いところ、強いところからペンを入れていきます。
②細い木材から、方向を意識して線を入れます。
③木目が見える板は、まず濃い部分を描きます。
④その後薄い部分を描きます。
なぜ濃い部分から描き始めるのでしょうか?
薄い部分から描き始めてもいいのですが、下書きの線がある場合、見えなくなってしまいます。せっかく下書きしても、これではもったいないですね。
⑤木目を一通り描き終わったところで、少し離れて全体を確認します。
イラストっぽい、軽めの仕上がりにしたい場合は、これでも十分です。印刷して使用することを前提にする場合なども、このくらいの描き込みの方がいい場合があります。
⑥もっとガッツリ写実的にしたい場合は、白い壁の部分にもペンを入れていきます。
写実的に描きたい場合、対象が白いからといって紙の白地をそのまま残すのはひかえましょう。何も描かない部分は、キラリと輝くハイライト部分くらいです。
私が美大・芸大受験生時代に言われた言葉「描いて白くしろ」です。
ただ、白い壁にペンを入れると、全体的に木目の部分が弱くなりますので、引き続き描き進めていきます。
細部にこだわりすぎると全体が見えなくなります。意識して全体を見るようにしましょう。
⑦木目の部分をさらに描き込み、全体のバランスを整えていきます。
木目補強中。比べてみるとよく分かります。
拡大してみます。上が描き込んだ後の完成図、下は⑤の段階、一通り描き終わった後です。
⑧完成
偶然ですが、白い壁を描き込んだ時に右の方が濃くなってしまいました。それに合わせて木目の部分も右の方を濃いめに仕上げました。時と場合により、こういう修正方法もあります。
まとめ
いかがでしたか?コツは以下の3点です。
①繊維の方向を意識する。
②全体の陰影を確認する。
③細部にこだわりすぎない。
木目の表現は初心者でも表現しやすく、かつ描き上げた後の充実感もあります。絵を描く喜びを手っ取り早く味わいたい方は、ぜひ取り組んでみてください。
木目の他にも、絵画の基礎・ペン画力向上の講座を以下に用意しています。よろしければご覧ください。
それではごきげんよう。