パソコンを手に入れろ!
いいものに触れると、欲しくなります。人間というものは、物欲を克服するのは難しいものです。
アトリエ松竹梅物語、いよいよ強力な武器を手に入れることになります。
iMac
学習塾で勤務するかたわらで、ペン画も描きつつ、職場の Macintosh を使ってグラフィックデザインもやるようになりましたが・・。
いろいろ分るようになると、あれをやってみたい、これをやってみたい、当然そういう案が出てきます。それをやるには、流石に職場の Macintosh は古く、かつスペック不足でした。
新しい Macintosh を検討しようと思いましたが、当時、Apple 製品を取り扱っている店はあまりありませんでした。今のように家電量販店には置いてありませんでした。そのため、近くの大都会・名古屋市まで出向いて新しい Macintosh を見てきました。
そこで見た iMac が衝撃的でした。
当時の iMac というのは革命的でした。
それまでパソコンと言えば、ベージュ色の四角い箱、味も素気もない無機質なプロダクトデザイン、というのが当たり前。
そんな中、ボンダイブルーと命名された鮮やかで印象的なカラー、キーボードやマウス、ケーブルまで半透明(トランスルーセント)のデザインで統一され、まるでオサレなインテリア用品。売れに売れました。
トランスルーセントデザインは、他のいろいろな製品に「スケルトン」と称され取り入れられました。(パクられたともいいます)
それまで経営危機だった Apple は、これにより復活したと言われています。(実際はその少し前に黒字化しています。)
私が名古屋市まで出向いて、見て、触ってみた iMac は、そこから1歩進んだRev.Cと呼ばれるものでした。5色のカラー展開されていて、性能も少し上がり、よりオサレになっていました。
部屋のインテリアとしても十分通用するデザイン、Power PC G3 プロセッサがもたらすサクサクとした動きに魅了され、即買い・・・とはいきませんでしたが、後日買ってしまいました。
買ったパソコンは職場に持ち込み、デザインのツールとして使用していました。
あれ?自宅に置くんじゃないの?と思うかと思います。
当時はインターネットもEメールもまだ普及段階で、なんだそれはうまいのか状態でした。プロバイダとの契約もしておらず、完全にグラフィックデザインのためだけの道具でした。
それまで主に使用していたソフトであるクラリスワークスは初めから入っていましたが、改めてadobeの Illustrator とPhotoshop をインストールして(高かった・・)感激しながら使っていました。大学時代、あれだけ苦労して苦労して苦労して徹夜して、写真植字で苦労して両端揃えを作ったり、アナログ全開の作業が、クリック1発でできてしまうとは・・・、。
この感激、若い人には、分からないでしょうなぁ。
そうやってグラフィックデザインの作業をやっていくうち、学生時代の就職活動であきらめてしまったデザイン業界に、挑戦してみようかなぁという気持ちが出てきました。
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