卒業に向けて〜卒業制作展
アトリエ松竹梅物語、大学時代の一番の山である卒業制作が終わった後です。
卒業制作が終われば、あとは卒業を待つばかり、お別れする友人や後輩たちと飲み会したり、卒業旅行に行ったり、そういう楽しい時間を過ごすことが普通かもしれません。
ただ私たちは違いました。まだまだ、忙しいですよ〜。
卒業展覧会準備
卒業制作は作ったら終わり、ではありません。毎年、卒業展覧展が開催されます。
その準備として、グラフィックデザイナーの卵たちにはやることが山のようにありました。
ポスターやチラシ、パンフレットやDMを制作するため、誰がどんな作品を制作したか情報を集めるところから始まります。
DM発送先も、過去の卒業生や関係者全員に送るため、何千枚という数に上ります。
私は1994年3月卒なんですが、今でも毎年、卒業展覧会のDMが届きます。
見に行きたいんだけど、なかなか行けないなぁ〜。
印刷業者と打ち合わせしたり、
郵便局で料金別納の手続きをしたり、
会場を見て自分の作品の展示の準備したり、
またしても大忙しの日々が始まりました。
卒業制作、卒業論文を終えたばかりなのにね・・・。
こういう作業も、デジタルツールの発達した現在なら、短い時間でさっさとできるのでしょうが、時代はまだアナログ全盛。印刷自体は業者にやってもらうとしても、印刷をお願いできる段階まで作り込むのは、私たちの専攻の仕事です。
卒業公演
さらにこの忙しい時に、私は加入していた人形劇団サークルの卒業公演も準備していて、さらに大忙しでした。
卒業公演というのは、卒業する4年生がメインとなり、後輩たちに手伝ってもらいながら、一緒に上演作品を作り上げていきます。もうすぐ4年生は卒業するので、いい思い出にもなります。
やってもやらなくてもどちらでも良いのですが、これまでの集大成としてやってみたかったので、やることにしました。
人を集め、
脚本を書き、
演出をして、
練習を指揮して、
会場を確保し、
ポスターやパンフレットを作成し、
先輩など関係者に連絡し、
やることいっぱいだ・・。
サークルの他の同級生メンバーはどちらでも良かったようですが、いろいろと協力してくれました。ただあまりの忙しさのため練習不足で、上演作品としてはまだまだの出来でした。
卒業展覧会、卒業公演と多忙な中、アルバイトもしていました。アルバイト自体はこれまでも途切れることなく色々なものを続けていました。当時は冷凍倉庫で働いていました。車で片道30分程度、よく頑張ったものです。
いよいよ終了
そんな中で、やることを一つずつこなしていき、3月に入った頃には無事卒業展覧会も卒業公演も終わりました。
デザイナーの卵として成長してきた同級生たちの、見せ方をきちっと意識して展示された作品は、学校の雑然とした教室で見る時よりも数倍素晴らしく感じました。
アンケートに記入された感想を見てみると、優れたデザイナーになるであろう同級生たちの、きちんとデザインされた作品への賛辞が多かったです。私のようにイラストがメインの作品は、デザインとか関係のない人からの評価がよかったです。
毎年何人か、私のようにイラストをメインとする人がいるようですが、こういうのはデザインではないからやめにした方がいいんじゃないか、というような厳しい意見もありました。
当時はちょっと凹みましたが、意見は人それぞれ、いろんな意見があっていいと、今では思います。
卒業公演も、無事終了しました。練習不足のままでしたが、大盛況に幕を閉じたって感じでした。
そして冷凍倉庫でのアルバイトも卒業させてもらい、やっと一息つきました。
結局、卒業らしいことは一切せずここまできてしまいました。同じ専攻の有志から、卒業旅行で温泉に行くけど一緒に行く?と誘われましたが、やめておきました。女性ばかりの旅行に一人男性が入ってもなぁと、思ったのか思わなかったのか・・。
3月後半は卒業式もあり、あちこちで打ち上げやらお別れ会やらが相次ぎ、楽しい時間を過ごすことができました。
やっと、卒業するんだなという実感が湧いてきたところです。
達成感と、充実感と、まだ就職が決まっていない不安感と、複雑な心境でした。
なんとなくダラダラとした生活を過ごしていたら、充実を味わうことはありません。
頑張って達成感を味わうことを若いうちに経験しておくと、その後の良い影響は計り知れません。精神を壊さない程度に、頑張りましょう。
やっと、卒業するんだなという実感が湧いてきたところです。
達成感と、充実感と、まだ就職が決まっていない不安感と、複雑な心境でした。
なんとなくダラダラとした生活を過ごしていたら、充実を味わうことはありません。
頑張って達成感を味わうことを若いうちに経験しておくと、その後の良い影響は計り知れません。精神を壊さない程度に、頑張りましょう。
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