【初心者必須】球を練習して絵を上達させよう
球とは
今回は球についてまとめていきます。この記事を最後まで読んでいただき、球の描き方をマスターして、画力向上につなげましょう。
「円」は二次元の平面ですが、「球」となると、三次元の立体となります。野球やバレーボールなどのボールを思い出していただければイメージしやすいですね。
予備校やスクールでも、真っ先に練習する基本的な形です。
まだデッサンの練習が不足している場合、ありがちなのはこんな状態です。
- 球を描いたつもりなのに、立体的に見えず、円に見えてしまう。
- 歪みのない球を描いたつもりなのに、形が歪んでしまい、転がりそうに見えない。
ペン画に限らずどんな技法でも、画力を向上させるには、3つの基礎を練習する必要があります。
この3つの基礎を身につけるため、効果的な練習が、以下の3つです。
丸い形状、四角い形状については、以下の記事にまとめてあります。
球の描き方
形をとらえる
二次元である平面の紙面に、いきなり三次元である立体を描くことはできません。まずは円を書く必要があります。
形の整った、狂いのない円をフリーハンドで描く。これが難しいのです。
コンパスを使えば簡単ですが、形をとらえる練習なので、コンパスは使用しません。フリーハンドで円を描きます。
円柱の時と同様、いきなり円弧を描き始めるのではなく、まずすること。
1. 縦と横のガイド線を引きます。
当然このガイド線もフリーハンドで引きます。
少し薄いため、デジタルで濃くして見やすくしたものが下の画像です。
2. 大きさの目安の印をつけます。
見やすくするとこんな感じです。
線を引くための定規は使いませんが、距離を測るための目安として使用するのはOKです。私はいつもいらない紙に印をつけて距離の目安としています。
縦と横の距離が違っていると、不自然な球となってしまいます。きっちり距離を合わせましょう。
3. 目安の印を参考に、円弧を描きます。
いきなり最初から線が決まることはあり得ません。練りゴムで消しながら、納得できる円弧を探しましょう。
形が歪んでいるかどうかは、描いた円を上下・左右・表裏、いろいろな方向から確認してみてください。歪み方には描く人それぞれクセがあり、1方向からだけではそのクセに気がつきにくいものです。
慣れないうちは、補助として正方形を描いてみるという方法もあります。円弧の狂いが、さらに分かりやすくなります。
4. ガイド線を消して、円弧を残します。
縦と横の距離がしっかり決まっていれば、あとは影をつけながら修正ができます。
5. 陰影をとらえる
光源の位置を決め、陰影を描いていきます。今回もいつも通り、左上に光源を設定しましたが、描きやすいところならどこでも構いません。
角がないので、一番明るいところから暗いところまで、グラデーションで表現していきます。上の画像のように、丸みを意識して調子を入れていくと描きやすいです。
全体的な捉え方は、円柱や立方体と同様です。光が当たることろは明るく、当たりにくいところは暗くなります。床からの反射光を意識し、一番下部を少し明るくすると、より現実的になります。
円柱や立方体は底面で床と接しますが、球の場合は1点で床と接し、その接点は通常、隠れていて見えません。隠れた接点を意識して影を描くと、球と床の隙間を表現することができます。
練習に疲れてしまった時は
デッサンに限らず勉強やスポーツでも、基礎的な練習を継続するには、モチベーションの維持が重要になります。絵を上手く描けるようになりたい!という気持ちを強く持っていたとしても、基礎的な練習に疲れてしまうのは当然です。私にもよくあります。
そんな時、どうやってやる気スイッチを入れたら良いでしょうか。
目標を作ろう
・絵を上手く描けるようにする。
・周りの人に「上手いね〜」と言われたい。
というのも目標ではありますが、この場合は、もう少し具体的でイメージしやすい目標がいいですね。
・1日1枚デッサンを仕上げ、1ヶ月30枚の作品を並べて比較する。
・3ヶ月後の公募展に応募する。
・1年後にグループ展を開催する。(会場を予約しておく)
・1年後に個展を開催する。(会場を予約しておく)
自分なりの目標を設定して、やる気スイッチを入れましょう。
成長を実感しよう
自分の成長が分かると、やる気が自然と出てくるものです。
上記の目標でも触れましたが、初心者が1日1枚デッサンをして、それを1ヶ月続けると、自然と上達してきます。
1ヶ月間の作品を並べてみて、自分の歩んできた道を実感してください。
コミュニティに参加しよう
1人で黙々とスキルを積み重ねていく方が向いている人もいますが、大多数の人は、同じ目標を持つ仲間がいた方が、やる気は出やすいです。
絵を描く友人や仲間が集まるコミュニティに参加したり、絵画教室に通うのもいいでしょう。SNSにも絵関連のコミュニティがありますので、それを活用するという方法もあります。
話は少し変わりますが、初心者のうちは、指導してくれる先生がいた方が上達は早いです。独学で練習し続け、間違った方向に進んでしまった場合、修正するのが大変な場合があります。
人の展覧会や個展を見に行こう
ネット上の画像でたくさんの人の作品を見ることもできますが、やはり画面の中の作品と、生で直接見る作品とでは、印象が違います。
なるべく多くの人の作品を見て、いいと思ったことはどんどん自分に取り入れましょう。
この時、制作した作家さん本人と話をする機会があれば、どんどん声をかけて話してみてください。
私は何度も個展を開催してきましたが、黙ってじーっと見られるよりも、感想や質問を通して会話しながら見てくれた方が、楽しかったです。
まとめ
いかがでしたか?
デッサンのモチーフはたくさんあり、限りはありません。しかし今回の球の描き方を応用すれば、リンゴのような果物や、白菜やキャベツなどの野菜にも応用できます。
反射光の意識は、丸いものだけでなく四角い形にも応用ができます。反射光を意識して描かれた絵は、デッサンだけでなく、ペン画や油絵、水彩の作品にも応用ができます。
世の中には写真よりも細密な絵を描く人がいますが、こういった基礎基本の積み重ねです。
皆さんもデッサンを練習して、奥の深い絵の世界を目指してみてください。