【初心者必須】立方体を練習して絵を上達させよう

立方体とは?

デッサンの基礎を練習する際に、最も効果的な題材の一つが立方体です。これはペン画に限ったことではなく、どんな技法でも同じです。

厳密には立方体と直方体は違うものですが、デッサンのポイントは同じですので立方体として紹介していきます。

この記事を最後までご覧いただき、立方体の描き方を身につけることで、デッサン力向上だけでなく、絵という2Dの世界の中に、3Dを表現することが可能となります。ペン画を描きたい人も、他の技法の方も、参考にしてください。

立方体と同様、デッサンの基礎となる教材に円柱や球がありますが、これらについては以下の記事をご覧ください。

【初心者必須】円柱デッサンを練習して絵を上達させよう

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【初心者必須】球を練習して絵を上達させよう

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それでは、はりきって参りましょう。

立方体の描き方

ステップ1:正面を描く

立方体の場合、正方形を描きます。当然ですが、直方体の場合は長方形でも構いません。


線を追加して見やすくすると、こんな感じです。


この時の注意として

  • 線を引くための定規は使わない
    長さを調べたり、角度を調べたりするのはOKです。線を引くときはフリーハンドで引きましょう。
  • 線ははみ出していい
    はみ出さないように綺麗にまとめようとするよりは、勢いよくはみ出しましょう。ペンなら修正できないのですが、鉛筆デッサンは消したり描いたりを繰り返しながら描いていくものです。
  • 直角を意識する
    この後の2点透視法の場合は別ですが、このような構図の場合は直角にかかないと形が歪んで見えてしまいます。

ステップ2:奥行きを描く(一点透視図法)

正面からだけでは、単なる平面です。立体にするため、奥行きの線を描き入れます。一点透視図法という遠近法に従って描き入れます。

一点透視法?そんな難しい用語は知らん!という方、ご安心ください。やってみると簡単です。


斜めの線を、やや長めに3本描きます。この線の角度は何度でもいいのですが、45°程度が一般的です。

分度器でキッチリ測る必要はありません。だいたいで大丈夫です。

そしてこの3本の線は、平行ではありません。




遠近法の基本である一点透視図法では、延長した先は1点で交わります(消失点)。
紙の大きさに制約があるので、実際に消失点を描けないケースが多いかと思います。実際に描かなくてもいいので、だんだん閉じていくイメージをしながら3本の線を描きましょう。

この消失点というものは、自分の目の高さと同じ高さになります。

かなり高い位置から見下ろしている時は、消失点は上の方に設定します。
対象物と同じ程度の位置から見ている時は、消失点は下の方に設定します。



設計者の方は、普段書いている製図と違うので、違和感があるかもしれません。図面は寸法が重要ですので、斜めの線を平行に引きます。
デッサンは製図ではないので、遠近法を意識しましょう。

これがだんだん開いていくように描いてしまうと、形が不自然に見えてしまいます。



奥の線を描いて、形を完成させます。
斜めの線を45°で描いた場合、斜めの線の長さが1辺の半分程度の長さになるようにすると、自然な立方体に見えます。

ステップ3:陰影のとらえかた

光源の位置を決め、陰影を入れます。



今回は光源を左上においています。陰影の調子を入れるときは、はみ出してもいいのでガンガン描きましょう。

消しゴムで消しながら描き込んでいくのが、デッサンの描き方です。




単純に見ると3段階の陰影に見えますが・・・




実際は床面からの反射があるので、反射光があるとやや明るくなります。


この他にも、

  • 奥からまわり込んでくる光
  • 壁からの反射
  • 光源以外からの光

があります。実物をしっかり見て、できるだけ忠実に表現してみましょう。

ステップ4:しっかり見るとは?

しっかり見るってみんな言うけど、どうやったらいいの?
しっかり見てるつもりなのに、上手く描けないんだけど?

という方は、以下のことを試して見てください。デッサンの基本的なコツです。

  • 目を細めて対象を見る
    微妙なトーンの陰影が分かりやすくなります。
  • 少し離れて見る
    距離を離すと、細かい部分にとらわれず全体を見ることができます。
  • デジカメやスマホで撮影し、画面上で見る
    少し離れて見るのと同じ効果が得られます。
  • トイレや食事、お茶など、気分転換をする
    気持ちがリセットされ、集中している時とは違った視点で見ることができます。
  • 他の人に聞いてみる
    絵を描かない人でもいいです。

    「変じゃない?」
    「形おかしくない?」

    と聞いて見ましょう。細かいアドバイスは期待しないで、おかしいかおかしくないか、その視点で見てもらいましょう。

ステップ5:奥行きを描く(二点透視図法)

一点透視図法の他に、二点透視図法というものもあります。



1面を正面から見た構図ではなく、斜めから見た構図になります。消失点が2つになります。

自然に見せるコツは、2つの消失点は同じ高さになるように、そして目線と同じ高さにすることです。

陰影の付け方については、一点透視図法も二点透視図法も変わりありません。対象物をしっかり見て、陰影をとらえましょう。

ステップ6:奥行きを描く(三点透視図法)

さらに、三点透視図法というものもあります。



一点透視図法、二点透視図法では、縦の線は平行に引くのが基本です。この縦の線にも消失点を設け、より立体感を強調する図法です。

高さを強調したい時などは、この図法が効果的です。

 

実作への応用

これまで紹介してきた、立方体の描き方を応用した作品です。

一点透視図法

 




二点透視図法

 


三点透視図法

 

まとめ

いかがでしたか?

立方体デッサンを練習して、絵の中に3Dを表現できるようになれば、絵を描くことがどんどん楽しくなります。そのためにはコツコツした練習が大切です。

地道な練習はしんどいですが、絵の上達した少し先の未来の自分を想像して、励みましょう。

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