視覚伝達デザインコースへ

アトリエ松竹梅物語、引き続き大学生活です。今回は3年に進級し、同級生たちが専攻に分かれてからになります。


落第することもなく無事 3年に進学できました。(ホントは英語に手こずり、落とされるかもとひやひやでした)

3年次からは各専攻に分かれ、学生の控室のようなスペースに各自のデスクが割り当てられます。


自分用の机が用意された時は、学生のくせに会社のオフィスに自分の机ができたようで、嬉しかったですね。

未熟者を痛感

3年ともなると、専門的な授業が増えました。
グラフィックデザインとか、
 エディトリアルデザインとか、
  タイポグラフィとか、
   イラストレーションもありました。



最初はみんな、デザインのスキルなんて大してありません。何しろ鉛筆デッサン平面構成で大学に入ってきて、1年次2年次と一般教養メインでしたから。まだまだへたくそこれから伸びていく卵たちです

授業で教わったり、先生からアドバイスをもらったり、いいデザインを見て話し合ったりしながら、上達していくことになります。

私たちの学年は上達が遅く、よく先生に小言を言われました。




「例年、誰か1人最初に上達してくるやつがいる。それにつられて周りのやつらも上がってくる。まだまだ最初の1人が出てきていない

と言われました。何人か上達してきたなぁと言われるようになったは、ようやく3年次の終わりくらいでしょうか。

それまでは文句ばかり言われ、まるで受験生時代に戻ったかのようでした。(そこまで激しくけなされてはいませんでしたが。)

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制作の流れ

課題の制作は自宅ではなく学校でするようになりました。



視覚伝達デザインコースの課題は、ポスター、パンフレット、パッケージ、本、多岐にわたりますが、絵を描くわけではなく印刷して仕上げるのが普通でした。印刷するための設備や道具は大学にあるため、自宅でできることは限られていました。





現在なら、自宅にMacが1台あれば、illustratorPhotoshop を使って数時間で仕上げられます。(別にwindowsでもできますが)



できた作品を担当の先生にメールで添付して送るか、研究室のサーバー等にアップして終了!




そんな簡単な(実際はそう簡単でもないけど)作業を、2週間も3週間もかけてアナログ手法で仕上げていました。





何しろウン10年も前なので記憶があいまいなところもありますが、こんな感じでした。

使用する文字は写植をうち、印画紙に焼きつける。
 (イマドキの若者たち、写植なんて、知ってるかい?)
画像はフィルムカメラで撮影後、街の写真屋さんでプリントアウト。
 (デジカメなんてない時代ですから)
それから版下を切り貼りで作る。
 (スプレーのリ大活躍)
製版カメラで撮影し、リスフィルムに焼き付ける。
 (リスフィルムが高くて、数人で共同で買いました)
リスフィルムから印刷用の版を作る。
 (シルクスクリーンまたはオフセット校正機)
紙を用意し、インクを調合して印刷
 (上手くいかなかったらもう一度やり直し)
 (思ってたのと違ったらもう一度やり直し)
余白のカット、組立や仕上を行う。
 (地味に時間がかかるのだ)




という、一つ一つ手間のかかる作業でした。
アナログなため、失敗したらやり直しです。失敗したとき、思っていたのと違っていた時、そんな時は激しく落ち込みました。

振り出しに戻る〜。




自宅で黙々と絵を描くのとは違い、同級生と話し合ったりしながら課題をこなしていくわけですから、和気あいあいとした、たまに殺伐とした、雰囲気になりました。


後半になり

3年生の前半は、この制作の手順を覚えるための比較的シンプルな課題が多かったのですが、後半となると、かなり仕事量の多い、パッケージの課題が出されました。
これまでの集大成って感じでした。

取り組むうちに、何となく、デザインってこうやるんだというものがわかったような気がしました。




そう言いながら、当時の私の作品を今見ると、恥ずかしすぎます。みじく者まる出しゾッとします。

今でも、デザインのスキルは、素人に毛のはえた程度ですが。
今なら個展のDMとか。







昔の作品を見て未熟さに愕然とするということは、自分なりに成長してきた証拠です。みなさんも、自分の作品が気に入らなかったとしても、しっかり保存しておきましょう。絵が上達するための近道です。

保存しておくような場所がないなら、写真でもいいですね。

未来の自分への手紙のつもりで取っておくと、後で必ず役に立ちます。





みじく者の私に比べ、優秀な同級生は、いろいろ考えてきちんとカッコイイデザインができているように見えました。私には、そういう思考回路が全然できていないと感じました。

私はどちらかというと、デザインよりも絵を描く方が、合っているように感じました。実際、デザインの授業の評価よりも、イラストの授業の評価の方が、いつも良かったのを覚えています。






そんなみじく者の私でしたが、落第することもなく、無事4年に進級できました。
かなり盛りだくさんな3年生でしたが、4年になるとさらにさらに輪をかけて盛りだくさんになります。生きていけるのか?

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