大学生活の彩り
アトリエ松竹梅物語、今回は 勉強以外の、学生生活を彩る活動についてです。大学は勉強するために行くのですが、勉強だけではない、コミュニティづくりや社会勉強、積極的に取り組みましょう。卒業後の人生に教科書はありません。あなたの人間力が必要になります。
サークル活動
当初からやってみたいと思っていたサークルがありました。
それが、人形劇団です。
劇団というのは総合芸術であり、以前より興味がありました。
ただ私は演じることよりも背景画を描くことをしたかったので、それなら人間が演じる劇団よりも、人形劇団の方が適しているだろうと思い、加入しました。
この頃まだ10代。若いね~(しみじみ)
実際は背景画を描く需要はほとんどありませんでしたが、劇団員として充実していました。
楽しい思い出がいっぱいです。いい先輩や後輩、友人たちに恵まれ、充実した大学生活を送ることができました。
自殺者が多いと言われた環境でしたが、どんな人と交流を持つかで、生活は変わってきます。
交流を断ち、勉強や研究に邁進する人生もあるかと思います。
ただし人間は一人では生きていくことはできません。
人は支え合って生きていくから人なのです。
人と人と間の関係があるから、人間なのです。
おかげさまで私は、高校生の時も、大学生の時も、いい友人に恵まれました。ありがとうございました。
アルバイト
学費や生活費は、親からの仕送りが頼りでした。(これは大変ありがたいことです)
しかし、まだまだ遊びたい盛りの若者。お金使います。何らかのアルバイトで稼ぐ必要がありました。
もちろん、お金を稼ぐことがどれだけ大変なことか、経験するという意味もあります。
コンビニバイト
入学したての頃はアルバイト情報も乏しく、とりあえず宿舎の近くのコンビニにバイト募集があるのを見かけ、コンビニバイトを始めました。
やってみるとかなりしんどかったです。これは当時の私にはキャパオーバーを感じ、半年ほどで辞めさせてもらいました。
建材屋
先輩の紹介でした。建材屋の社員の方に連れられてアパートやマンションなど建築現場へ行き、石膏ボードや鉄骨などの建材をトラックから下ろしたり、現場で発生したゴミを片付けたり、要は雑用です。現場の職人さんや建材屋の社員の方は、そういった面倒な仕事はバイトにやらせるのが普通でした。
平日昼間のアルバイトのため、授業のない日か、夏休みや冬休みの長期休みの時にやりました。
日給のため、その日の勤務終了後にバイト代をいただけました。かつて自分が荷物を下ろした建築現場を後日通りかかり、立派に完成している建物を見ると、なんだか嬉しかったですね。
薬理試験
これも先輩の紹介です。先輩に「楽して稼げるバイトってないんですかねぇ」と聞いたら、「あるよ」と言って紹介されたのがこちら。紹介するだけでも紹介料をいただけるとのことでした、
たとえが悪いですが、薬の人体実験みたいなものです。ある程度まで開発が進み安全性も確認されている薬を、人間で試験するというものです。
なんだかすごく怖い感じがしますが、
- ある程度安全性は確認されている。
- 事前に何をするか説明があり、怖ければ断ることもできる。
- 施設に泊まり込み、専門のスタッフが常駐している。
ということで、実際にやってみました。やってみると、
- 試験数日前から施設に入院。
- 薬の影響だけを見るため、食事は徹底管理。もちろん、飲酒・タバコはNG。
- 薬の影響だけを見るため、外出は禁止。運動も禁止。
- 決まった時間に採尿、採血、診察があるが、それ以外は自由。
- 自由と言っても外出も運動もできないので、暇つぶしのための本、ゲーム、ビデオがたくさん。
- 起床時間、消灯時間は厳守。
- 試験に参加できるのは男性のみ。女性は不可。
- 一度参加したら、次回参加できるまでインターバルが必要。(インターバルの期間は、試験によりまちまち)
なかなか、普段経験することのない体験でした。何しろ、何もせず食っちゃ寝の繰り返しで、バイト料が出るとは・・。(実際は何もしてない訳でもないけど)
私が参加したのは、利尿剤の試験でした。カフェイン入りの飲料を飲むと、カフェインによる利尿効果が出てしまい正確な試験ができないため、コーヒーは禁止でした。
カフェイン入りの飲料って意外と多く、緑茶もだめなんですよ。
さらに冷たい飲料も利尿効果があるということで、飲んでいいのは室温の麦茶のみでした。
薬を飲み、1時間おきに採血しました。私は血管の壁が薄かったらしく、採血しようとすると血管の壁がぺたっと張り付いてしまい、採血が難しく、何度か針を刺すうちに薬物中毒患者みたいな傷が。看護婦さんの見る目が痛々しかったです。
結局、点滴のように針を刺した状態で固定することになりました。
工場内軽作業
これは知人からの紹介でした。
クルマでないと行けない距離にある町工場でしたが、運よくその工場に古くからある車両を貸していただけました。
プラスチックの部品を作っている小さな町工場で、シフト等は特になく、時間があるときにフラッと行き、そのまま現場のどこかに入り、数時間の単調作業をこなすというものでした。
単調作業はしんどかったですが、当時としては比較的時給が高かったこと、夜食が提唱されること、車両を貸してもらっていたこと、そんな理由で結構やりました。
何人か友人を紹介しましたが、みんな単純作業に耐えられずすぐに辞めていきました。
一度、夜勤で勤務し、帰宅しようとしたら大雪で帰れなくなり、工場の休憩スペースで夕方まで寝させていただいたこともありました。今となってはいい思い出です。
しばらく続けたものの、バブル崩壊による不況の影響のため、バイトは打ち切りとなりました。
冷凍倉庫
大学4年次の時、それまでやっていたアルバイトが事情により中止となり金銭的に苦しかった時、新聞広告で見かけて応募したのが、冷凍倉庫での荷物の仕分けでした。
マグロの切り身やウナギボーン(ウナギの背骨)等の海産物が冷凍倉庫に保存されている倉庫でした。
倉庫内の温度は、第1室がマイナス10度、第2室がマイナス30度、第3室はマイナス50度となっていました。ここに防寒着を着て入り、運ばれてきたものを棚に保管したり、出荷するものを出したりしていました。
第3室の冷気噴き出し口付近は、マイナス75度くらいあると聞きました。
まつ毛や眉毛が白く凍るのは当たり前で、防寒着を着ていても長時間入っていると、手の先や耳たぶが凍ってきます。連続で入っていられるのは10分くらいでした。
バナナで釘が打てるかどうかやってみた人がいたのですが、バナナが割れてしまって出来なかったそうです。
名古屋市科学館には「極寒ラボ」なるものがありますが、まさにあんな感じでした。普通の大学生活では、なかなかできない貴重な体験でした。
塾講師・家庭教師
大学生の定番アルバイトとして、塾講師や家庭教師があります。
自分も先輩の紹介で塾講師をやりましたが、そこは個人でやっているところで、かなりゆるい感じでした。
大学卒業後、プロの学習塾講師として成果を出し続けてきた私ですが、この時は単なるゆるい大学生。研修がきっちりした厳しい塾だったら、当時の私ではとてもやっていけなかったでしょう。
塾講師や家庭教師は、時給は高めなのですが、1日の勤務時間を長く確保できないため、月の給与はあまり高くなりません。たくさんの塾やたくさんの家庭教師を掛け持ちすればかなり高くなるのでしょうが、他人のお子さんを預かり指導するという責任ある仕事のため、たくさん掛け持ちするのは難しいでしょうね。
他にもいろいろやりましたが、経験豊富な先輩からの紹介バイトは、楽しくできて給与もそれなりにもらえるものが多かったですね。
給料だけでなく、大学生活では絶対にすることのない経験や、対話することのなかった社会人の方たち、大変勉強になりました。ありがとうございました。
みなさん、仕送り十分でお金に余裕がある人も、やってみた方がいいですよ。状況にもよりますが、まだ勉強に余裕のある場合が多い、1年次2年次にやっておくことがおすすめです。
私の場合、専門のコースに分かれた後、3年次後半から、いろいろ修羅場になってきました。どんな修羅場なのか?果たして生きていけるのだろうか?(大袈裟)
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