筑波大学 芸術専門学群
アトリエ松竹梅物語、今回は大学の概要です。
古い話ですが、進路模索中の方は参考にどうぞ。
時間割は自分で作る。
高校生までは学校が用意した時間割通りに進んでいきますが、大学では自分で時間割を作成する必要があります。最初は何を選択したらいいか全くわからないので、オリエンテーションで説明がありました。
先輩を通じてオススメな授業情報が伝わったりして、そういう授業は同級生の知り合いがいたりします。知っている人がいると、困った時に助けてもらえるのでありがたかったですね。
1年次、2年次は一般教養
大学に行ったら、毎日が美術の授業なんだ〜と浮かれポンチだった私は、この点で少しがっかり。
しかし見方を変えれば、幅広い知識見識に触れられるのは総合大学ならではの強みだと思います。画家で生きていくなら、独立起業することになりますから、いろいろな知識を持っていた方がいいです。
どうしても絵を描きたいから、1年次、2年次の授業は最低限にして、自分で絵を描きまくるとか、できないことはないです。ただ3年次、4年次となると、専攻の課題が忙しかったり、私生活が忙しかったりして一般教養をやっている時間はほぼないです。
一般教養は最初のうちに終わらせておきましょう。
私の場合、第1外国語(英語)だったり、第2外国語(私はフランス語を選択しました。もう全然覚えていませんが・・)、心理学とか経済学とか選んだ覚えがあります。
3年次から、各専攻
洋画やデザイン等の各専攻は、3年次になる時に正式決定します。実際は受験の時に行きたい専攻を選んで受験しているのですが、1年次、2年次で気が変わって変更する、というパターンがたまにあります。
私は視覚伝達デザインコースへ進みました。
このコースはグラフィックデザインやエディトリアルデザインがメインでしたが、それだけでなく、写真とか、映像とか、イラストとか、色々やりたい人がいて、そういう色々カテゴリーな人も集まった専攻でした。
体育重視
筑波大学だけかもしれませんが、4年間体育の授業がありました。
体を動かす習慣を持つことで、少しでも健康的な生活を送ってほしいという狙いがあるようです。
確かに、健康でないと勉強や絵どころではありません。不健康な生活になりがちな大学生の一人暮らしです。週に1回の体育では少ないかもしれませんが、運動の習慣づくりのきっかけとして良いのではないでしょうか。
私は高校時代まで部活でやっていた関係で、4年間ともバレーボールを選択しました。
似たような境遇の同級生が自分を含めて4人いて、4人とも4年間一緒にやりました。定期的に開催される学内のスポーツ大会に出場したりもしていました。
これは3人しかいませんが、1人はカメラ撮影者です。
教員免許
筑波大学の前身は東京教育大学。教員養成課程があります。必要な単位を取得すれば、教員免許を取得できます。
卒業のために必要な単位ではないので、やってもやらなくてもどちらでも良いです。
私のようにデザイン専攻に進む人は、卒業後教員になる人はほとんどいないので、やらない人ばかりでした。オリエンテーション時にも、やらなくていいと言われました。
しかし私は、知り合いの先輩から、教育実習に行ってすごく楽しかったという話を聞いており、必要な単位を取得して教育実習に行きました。
教員になるつもりはないけど、教育実習やってみたいからやってみた、そんな感じです。実際にやってみたら、確かに楽しかったです。
大変でしたけどね。
おかげさまで、中学美術と高校美術の教員免許を取得しました。
卒業後すぐに画家になれる人はほんのわずかです。学校の先生をしながら画業を進める、という道を選択する人も多いです。
ただ、学校の先生という仕事はかなり激務ですので、画業の時間の確保は難しいです。
印象に残っている授業
大学の授業は高校までと違い、学習指導要領というものはないため、担当する先生の趣味とか、教える能力が直に反映されます。
面白い授業もあり、面白くない授業もあります。
大学の先生には、授業よりも、自分の研究の方が優先な人もいます。
そういう人の授業は、ものすごく無味乾燥していて大変でした。心が折れるかと思いました。
もちろん、面白い授業もありました。
芸用解剖学の授業とか、内容だけでなく先生の人柄もよかったです。聞くと、毎年かなりの人気のようでした。
実習形式の授業で、陶芸実習でというものがありました。先輩に勧められて受講しました。
最初に行う菊練り(粘土内の空気を抜くために行う)に手こずったり、ろくろを回して整形したりとか、失敗してぐちゃぐちゃにしてしまったりとか、大学の授業であることを忘れてしまうくらいでした。
よく、市民講座とかにもありますよね。
写真の実習も受講しました。グラフィックデザイナーとして知っておいた方がいいということで、同級生はかなり受講していました。
当時はデジカメなんてまだない世の中のため、全てフィルムカメラです。写ルンですとか、シャッター押すだけカメラではなく、絞りやシャッタースピードを調整できる1眼レフカメラを使い、白黒フィルムに撮影していました。
撮影後のシャッター現像やプリントも自分でやれるよう、暗室が大学にありました。
必要な道具は自分で購入し、真っ暗な部屋でフィルムを現像し、黄色いライトの下で印画紙に浮かび上がらせるのは、楽しい経験でした。
デジタルが普及した今の世の中では、よほどのマニアでないとやらないでしょうね。
専攻に分かれた後の3年次、4年次となると、だんだんと切羽詰まってくるので、あまり楽しんでいる余裕はなくなってきます。どんな感じに切羽詰まってくるかは学部それぞれ、人それぞれ、ですが、私の経験談は次回以降に記載します。
いろいろ大変だったけど、充実していて楽しかったな〜。いい経験だったな〜。
これから大学に行く可能性がある方は覚えておいてください。
自分の専門分野でないから、と消極的になるより、専門分野でなくても、面白そうならどんどんやっておきましょう。特にまだまだ余裕がある1年次、2年次のうちにね。
そして勉強以外にも、やっておいた方がいいことはたくさんあります。次回はその勉強以外について、です。
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