学生宿舎
アトリエ松竹梅物語、今回は学生宿舎についてです。大学に合格したら一人暮らしをしたいと考えている方、一人暮らしは不安だという方、人それぞれですね。
めでたくも筑波大学芸術専門学群に合格した私は、入学式の数日前に筑波大学の学生宿舎へやってきました。
厳密にいうと、学生寮ではありません。学生宿舎と学生寮は違うものです。
近隣に民間のアパートやマンションもありますが、学生宿舎は割安かつ大学に近くて通いやすいということで、申し込みをしておきました。
新入生は1人部屋が優先的に割り当てられます。初めての一人暮らしに不安は全くなく、浮かれポンチでした。
学生宿舎の様子は以下のような感じです。古い話ですが、筑波大学を検討されている方、ご参考に。
広さ4.5畳程度のワンルーム
約10㎡、かなり狭いです。
備え付けのベッドや机、洗面台があるため床面の空きスペースはほとんどありません。押入れのような収納スペースもないため荷物を入れるとさらに狭くなります。
みなさんいろいろ工夫して、少しでも広く使えるように頑張っていました。
アーティストたるもの、創意工夫の精神が大切です。
エアコン・空調
エアコンは、当時はなしが当たり前でしたが、現在ではリース契約で設置できるそうです。
卒業してから久しぶりに所用で大学に行った友人に聞いたのですが、宿舎の各部屋にエアコンの室外機があるのを見て、時代を感じたそうです。
私の学生時代当時、暑い季節、エアコンなしの学生宿舎は地獄のようでした・・。
暑さだけでなく湿度もものすごく、よくカビが発生しました。入居前にみなさんがカビキラーを使うので、学生宿舎周辺では外にまでその匂いが漂ってくるほどでした。春の風物詩と言われています。
冷房設備はなかったものの、暖房設備としてパネルヒーターというものがありました。
スイッチのON・OFFは自分ではできず、設定された時間になると自動的にONになり、自動的にOFFになりました。寒い日でも23時以降は自動的に切れてしまいます。冬季、夜遅くまで大学の課題をやっていると、
「しゅぅぅぅぅ〜」
という音と共に暖房が切れてしまうのは、なかなか切ないものがありました。みなさん独自に暖房器具を使っていましたね。
繰り返しますが、今はエアコンあるので大丈夫です。
電話
携帯電話があれば固定電話なんて必要ありませんが、当時は携帯電話なんてものは存在しない時代でした。固定電話しかない世の中でしたが、各部屋に電話回線なんて引いてありません。
電話したい時は、管理棟の公衆電話を使いました。電話したい時には小銭やテレホンカード(なつかし〜)を用意し、管理棟に行くしかありませんでした。
そうそう、コレクトコールなんてものもありましたね。結構みんな使っていたんじゃないでしょうか。
外から入居者にかかってくる電話は全て管理棟につながり、管理棟から一斉放送で呼び出しがありました。
「○●号室の□◆さん、電話です」
って感じの放送が入ります。当時は何とも思っていませんでしたが、今振り返るとすごいシステムですね。
共同設備
風呂、食堂、トイレ、洗濯機、ガスコンロは共同(一部の部屋を除く)でした。
私の在籍当時は共同の大浴場がいくつかあったのですが、かなり前に縮小・廃止され、代わりに各フロアにシャワー室ができたそうです。
私なんかは湯船にゆっくり浸かり、会話を楽しんだりしたい派なんですが、そういうのは好まれない時代なんですかね。
食堂もあります。開店時間は限られていますが、安めでボリュームもあり、生活費を節約したい学生にはおすすめです。
メニューは揚げ物が多かったです。栄誉バランスを心配する方は、各フロアにあるガスコンロで簡単な自炊もできますし、大学構外へ出て食堂やレストランを利用することもできます。
インターネット環境
当時はネットはありませんでした。
今は各部屋に光回線が引かれ、有線LANも無線LANも使えるそうです。どの程度使いやすい速さか、よく知りません。
ご存知の方、教えてくださると嬉しいです。
セキュリティ
セキュリティ
時代の違いを一番感じるのはここです。
私の在籍当時、セキュリティは、各戸のドアの鍵のみでした。棟の玄関じゃないですよ。各部屋のドアですよ。
今ではマンションのオートロックと同じように、棟の玄関にしっかりとしたセキュリティがあり、入居者以外は建物内に入れないようになっていますが、当時はドアの前まで行き放題でした。(男子棟も、女子棟も!)
洗濯機や調理設備のある共同設備エリアなんて、部外者入り放題!でした。
今なら考えられませんね。
どうですか?なかなか我慢を強いられる環境ですね。
しかし、67棟で3,800以上もの居室数を確保してあるのです。規模としては、日本トップクラスなのではないでしょうか。しかも家賃が格安です。
改修もきちんとされて綺麗になっていますし、グローバルビレッジと呼ばれる国際交流を重視したシェアハウスタイプもできていたりして、新しい宿舎エリアが拡張されています。
周りの人は同じ大学の同級生であることが多く、友達を作ったり交流したりするのには適しています。
学生宿舎は1年で退去する規則でした。
毎年、新入生がやってきます。筑波大学の1学年の定員合計は2,000人以上、日本全国だけでなく外国からも集まります。例年、新入生の約4割が入居しますので、800人以上ですね。
その新入生に1人部屋を優先して割り当てるため、入居者は1年で退去しなければなりません。
引き続き入居を希望する場合は、例年10月下旬に行われる募集に応募する必要があります。希望多数の場合は抽選となります。
ほぼ毎年、抽選しています。色々不便な点はありますが、家賃の安さは魅力です。
たとえ抽選に通っても、同じ部屋に引き続き入居できるわけではありません。別の部屋が割り当てられるので、引っ越しは必要です。
私は応募せず、2年目からは外部の民間アパートへ引っ越ししました。
生活の準備をしているうちに入学式も無事終わり、授業の選択の仕方や、生活上の諸注意など、オリエンテーションが最初にありました。
何しろ、日本全国から、初めての一人暮らしの学生がわんさか集まります。学校生活も、高校生と大学生とではまるで違います。
毎年何人か、新しい生活に馴染めず、苦労される方も多いそうです。私はすんなりと馴染めましたが、もし馴染めずに悩んでしまう場合は、相談できる人に相談しましょう。友人、先生、外部の相談窓口など、相談するところは色々あります。
いよいよ大学生活の始まりです。次回は大学ってどんな感じで勉強していくのか、を紹介していきます。
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