愛知芸大受験
アトリエ松竹梅物語、今回は愛知芸大受験編です。難関ですよここは。
意気消沈
手応えなく筑波大学受験を終えた私は、意気消沈して帰宅しました。
まだ愛知芸大の受験が残されていましたが、こちらは難易度高すぎて、受験対策を始めて1年程度の私にはほぼ無理。筑波大学でセンター試験でのリードを守り切れるかどうか、祈るしかありませんでした。
明るい材料として、筑波大学は他の美大・芸大と違い、勉強の成績も考慮してくれると言われていました。愛知芸大をはじめ他の美大・芸大は、勉強の成績関係なし、絵の実力100%と言われていました。(今は違いますよ、勉強もちゃんとやってね)
何とかなるさと自分に言い聞かせ、気持ちを切り替え、愛知芸大受験の日を迎えました。
陸の孤島再び
自宅から日帰りで行けるのですが、結構不便でした。
①名鉄本線で名古屋まで行き、
②地下鉄東山線で藤が丘駅まで行き、
③バスで愛知芸大までいきます。
①の名鉄本線と②の地下鉄はいいのですが、③のバスに乗っていると、車窓の景色がどんどん田園風景(田舎ともいう)に変わっていきます。
季節はまだ冬。外に緑はなく、茶色の殺風景な風景が景色が流れていきます。つくば市と同じように、
「どこに連れて行かれるのだろう?火曜サスペンスなら・・・」
と、不安になりますよねやはり(私だけ?)。
愛知芸大は名古屋市ではなく、近隣の長久手市となります。今では近くに愛・地球博記念公園やジブリパーク、IKEAなどもでき、人口も増加して賑やかですが、当時は何もないところでした。
そもそも地名も、今の長久手市ではなく、当時は愛知郡長久手町でした。
いよいよ試験
静物デッサンの課題は
「今から外に出て、大学構内の風景を描いてきてください」
いきなり風景画が出題でした。びっくり。出鼻をくじかれました。
今なら得意中の得意分野ですが、当時は全く風景画の経験なし。室内にこもって静物ばかり描いてきましたから。一緒に受験した友人と、
「どうしよう、どうする?」
場所選びに四苦八苦。さっさと決めて、描く時間を少しでも多く確保すべきでしたが、冷静さを失っていました。
とある人工物をメインにした絵が描けそうな場所を確保し、何とか頑張ってそれなりに仕上げましたが、時間不足でした。さっさと場所決めて、少しでも多く描いたらよかったのに、というのは、全て終了して冷静になれるから言えることです。
今なら、こんな感じに描くでしょう。
受験対策初めて1年弱では、さすがに無理か。
周りの受験生の作品をちらちら見ると、さすが有名芸大だけあって、目を見張るできばえの人が何人もいました。
こういう人が合格していくんだろうな〜。
一緒に受験した友人たちとバスに揺られ、地下鉄に揺られ、私鉄にゆられ、帰路につきました。筑波大学も愛知芸大も、やり切った感のないまま終了し、あとは合格発表を待つばかりとなりました。
果たして、結果はいかに!?
前回のお話
続きのお話