粘り強さが出口へ導く
アトリエ松竹梅物語、今回は大学入試の仕組みについてです。時代の変遷とともに変更があったりして、ややこしいですよね。
美大・芸大受験のため練習を始めたものの、ヘタクソと言われ続ける毎日。どうしたら絵が上手くなるか思い悩みつつ、絵を描く日々を過ごしていました。
絵画教室は週に1回、他の日は高校の美術の先生のアトリエにお邪魔して練習(友達とのお喋りで終わってしまうこともありましたが・・)が基本的なパターンとなりました。
夏休み期間には夏期講習に参加し、朝から夕まで絵画教室で練習をしていました。
そのうちに部活(バレーボール部)も引退し、受験勉強に専念できるようになりました。
美大・芸大だけでなく、理系の大学も受験するから、と言って絵画教室に通わせてもらいましたが・・・。
その頃には、美大・芸大と理系大学の2刀流はちょっと無理があると思い始めていました。絵に絞り込みたいところではありましたが、大学入試センター試験や高校での定期テストがあるため、学業の勉強は続けました。
これが、後々の大どんでん返しに結びつくことになるのであります。
人の絵を見て我が絵を評価
寒さが身に沁み始める12月になって、教室へ新規入会希望者がちらほらとやってきました。
それがなんと、美大・芸大を受験したいからと言ってやってきた高校3年生です。
え、今から?
事情はよく分かりませんが、今から目指しても現役合格はほぼ不可能な時期です。おそらく、受験の難しさをわかっていないものと思われました。
ただ、ここで意外なことに気がつきました。
そんな新入りさんたちの描いたデッサンを見て、自分の成長を実感しました。新入りさんはデッサンを始めたばかりで、かつての自分同様、素人騒然でした。
これまであまり意識はしていませんでしたが、かつての自分が描いていたであろうレベルのデッサンを見て、はっきり上達を感じました。(言っていいことか悪いことか知りませんが)
またこのころになると、これまでボロクソにけなすだけ(だけ、じゃないよ失礼な)だった先生たちからも、
「下手くそなりに描けるようになってきた」
と言われることも増えてきました。これまでずっとトンネルの中で悶々としてきたのですが、やっと出口が見えてきました。ヤッタネ!
先生のおっしゃった通り、コツコツたくさん描くことが一番の上達への近道でした。
勉強も、絵も、仕事も、継続することが大切です。地道にコツコツ頑張りましょう。
大学入試システム
この頃になると、受験生はみな志望校がほぼ決定しています。美大・芸大というと、私立大学も含めると比較的たくさん選択肢がありますが、これまで親にいろいろ迷惑をかけてきたこともあり、費用のかさむ私立大学は受ける気はありませんでした。
ここで、大学入試のシステムを知らないと、何の話なのか全くわからないので、少し解説を。ご存じの方はとばして下さい。少しややこしいので、面倒な方もとばして下さい。
私立大学は独自のシステムをとっているため、国公立大の入試方式です。
以下説明です。
大学入試の全体像
全体の流れとしては、
一般選抜
学校推薦型選抜(推薦入試)
総合型選抜(AO入試)
の3種類があります。
一番受験者が多いのは一般選抜です。これは、一次試験→二次試験の流れで実施されます。
全国共通のテストである一次試験を1月に受験し、その後大学別に二次試験を2月〜3月に受験し、合否が決定されます。
一般選抜
1978年以前
「1期・2期校制度」
共通テストが導入される前です。私もよく知りません。
1979年以降
一次試験は、年代により通称が変わります。
「共通一次試験」(1979年〜1989年)
「大学入試センター試験」(1990年〜2020年)
「大学入試共通テスト」(2021年〜)
日本全国共通の試験問題で、マークシートによる選択式です。全国共通のため、東京大学を受験したい人も、しがないFラン大学を受験したい人も、同じ問題で受験します。
同じ問題ですが、ここで何点とれるかで、二次試験に出願できる大学が決まります。
二次試験は、2種類あります。
「連続方式」(1987年〜)
全国津々浦々の国公立大学や学部をA日程及びB日程(一部の公立大学についてはC日程もあり)の3グループに分け試験を実施します。
合格者を3月末に発表し,二つ以上の大学・学部に合格できた受験生は,希望する大学・学部を選択することが可能です。
私が受験した当時は、この連続方式が主流でした。A日程から1校、B日程から1校、合計2校受験可能です。
C日程は実施大学が少なく、受ける人は少なかったですね。
「分離・分割方式」(1989年〜)
連続方式と併用されています。現在はほとんどの大学がこちらを実施しています。
各大学が学部の入学定員を前期と後期(一部の公立大学については中期もあり)に分け、前期日程の試験、合格発表、入学手続を実施した後、改めて後期日程の試験、合格発表、入学手続を実施します。
前期日程試験に合格し入学手続をした者は、後期日程又はB日程試験を受験しても、合格者とはならないとされています。
説明終わり
う〜ん、ややこしいですねぇ。ざっくりいうと、
①1月に一次試験(センター試験)を受験
②二次試験を受ける大学を決めて出願
③二次試験を受験(チャンスは2回、たまに3回目もあり)
④合格発表
って感じでしょうか。
私立大学は独自の日程のため、日程が重ならなければ受験可能です。
私の志望校は?
私の受験当時は連続方式が主流のため、A日程・B日程から1校ずつ選択しました。そこで、地元の有名芸大である愛知県立芸大と、やはり地元の愛知教育大学を受験することにしました。
描けるようになってきたとはいえ、愛知芸大はまず無理。イメージ湧きにくいかも知れませんが、超難関です。思い出受験です。
愛知教育大学は美大芸大とは違いますが、小学美術・中学美術・総合造形と、いくつか美術系の学部がありました。センター試験の点数次第ですが、ここは合格確実な位置にいました。
ただし試験科目に水彩画があったため、水彩画の勉強も開始しました。
水彩画はあまり上手くはなりませんでしたが、それでも合格確実でしたので、かなり明るい気持ちで過ごしていました。
あとは大学入試センター試験、これでミスしなければ大丈夫、と思っていましたが・・・。
いましたが・・・。
ましたが・・・。
したが・・・。
たが・・・。
が・・・。
・・・。
・・。
・。
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この後、大どんでん返しがあるとは、一体誰が予想し得たでしょうか。神のみぞ知る、であります。
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